中国・江蘇省蘇州市、「デジタル人民元」10万人実証試験開始を発表

中国・江蘇省蘇州市、「デジタル人民元」10万人実証試験開始を発表

中国・江蘇省蘇州市、「デジタル人民元」10万人実証試験開始を発表

5日、中国江蘇省東南部に位置する人口約1000万都市の蘇州市にてデジタル人民元の実証実験が開催されることが、明らかになった。

中国版中央銀行デジタル通貨(CBDC)が抽選のうえ10万人に200元(日本円で約3200円)が提供される。デジタル人民元が国民に提供されるのは、今年10月に広東省深圳にて抽選で5万人の市民に対し総額1000万元(日本円で約1億5700万円)のデジタル通貨を市民への配布されるのは2度目で当サイトでも報じたばかりだ。

総額約3億2000万円の「デジタル人民元」配布・・・インターネット通販でも利用可へ

イベントへの参加希望市民は12月5日と翌日6日までの間に申込し、1週間も経たず11日には結果発表となる。今回は総額2千万元(約3億2千万円)と深圳の2倍の規模になり、前回と同様に抽選を行い、当選者10万人に200元ずつを各自のスマートフォンの専用アプリに送る。

市内のスーパーや飲食店などで支払いできるほか、通販大手、京東集団(JDドット・コム)のオンラインショッピングにも使用でき、有効期間は12月11~27日と約2週間ある。前回の実証実験は実店舗のみでの利用に限られていたが、今回はインターネット通販などと利用範囲を拡大する。

デジタル人民元、新たな決済システムネットワーク創造と米国の独占的地位打破へ

中国国内では既に日米欧の1歩先を歩んでおり、1つ目はQRコード決済の普及が挙げられる。Wechat PayやAlipayなどほとんどのお店でQRコード決済が普及しており、中国国内においては現金を持つ必要性が限りなく皆無だ。更に中国国内でのデジタル人民元の動きの加速である。

決して緩めない活動の背景には資金取引管理の強化が考えられ、先日、法定通貨にデジタル人民元を加える法改正案を人民銀行が公表したことも明らかとなり、法整備でも日米欧の先を行く。今回のデジタル人民元の実証実験がうまくいくと、政府は海外との取引をキャッチし、急激な資金流出を防ぐことなどが従来よりも容易になり、通貨の流通を把握し近い将来政府は、補助金を出先機関に対しデジタル人民元で渡す日もくるかもしれず、そうなればこれまでの蔓延する汚職などの問題を減らせる可能性があるかもしれない。

デジタル通貨を巡る緊張が高まってきている背景のなかで、中国のみならず世界でデジタル人民元の普及により新たな決済システムネットワークをつくり、中国に対する米国の優位は弱まり米国の独占的地位を打ち破る能力を持っている。今後も中国に続き各国のデジタル通貨への取り組みから目が離せない。

 

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