中国・深圳市でデジタル人民元の実験がスタート!

中国・深圳市でデジタル人民元の実験がスタート!

中国・深圳市でデジタル人民元の実験がスタート!

12日、人口約1300万人都市広東省深圳でデジタル人民元の運用実験が始まることが明らかになった

抽選で5万人の市民に対し総額1000万元(日本円で約1億5700万円)のデジタル通貨を市民に配布する。

10月18日まで深圳市内約3400店舗で利用可能

硬貨や紙幣と同じ価値かつ同じ利用方法で「デジタル人民元」が、期間限定ではあるが10月18日まで市内約3400店舗で利用可能である。

運よく当選した市民は、専用のアプリをスマートフォンにダウンロードしデジタル人民元の入手が可能。当選した市民1人あたり200人民元、日本円で約3100円相当になる。

デジタル人民元の発行に向けた準備を加速させたい政府と中国人民銀行が、検証するのは今回が初めてである。

デジタル人民元の発行による中国政府の狙いは?

中国国内に足を運ぶと驚かされることが多々ある。大型ショッピングモールはもちろん小さな商店でさえも、Wechat PayやAlipayなどほとんどのお店でQRコード決済が普及しており、現金を持つ必要性が限りなく皆無である。

今回のデジタル人民元の実験がうまくいくと、政府は通貨の流通を把握することが出来、近い将来政府は、補助金を出先機関に対しデジタル人民元で渡す日もくるかもしれず、そうなれば蔓延する汚職などの問題を減らせる可能性があるかもしれない

各国中央銀行も「デジタル通貨」の研究を急ぐ

スウェーデンの中央銀行をはじめ、ヨーロッパ中央銀行(ECB)、アメリカ合衆国の連邦準備制度理事会もデジタル通貨の実験や研究を行う方針を次々と明らかになっている状況だ。

日本も、先日日銀が「現時点で発行計画はない」としつつも翌年2021年の早い時期に第1段階の実証実験を開始することを公表したばかりだ。

なぜここまで各国の中央銀行がデジタル通貨に対する動きが活発になったのか?

世界全体で約27億人のユーザー人口をもつ、米大手Facebookが国境を越えて送金などを行える暗号資産「Libra」の発行計画を打ち出した背景があったからであろう。

Libraは現時点では、具体的な発行時期は発表していないが、いくつかの懸念材料が払拭されれば必ず世界全体にイノベーションが起こることは間違いない。

 

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