ダウ平均3万ドル大台、ビットコイン急騰は米国新政権への政策期待の高まり!?
25日、先日24日に米株式市場でダウ工業株30種平均は史上初めて3万ドルの大台に乗せた。これは米大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領へ、政権の移行作業が始まるとの期待が市場での高まりを日本経済新聞が報じた。
中でも財務長官に任命されるとみられる米連邦準備理事会(FRB)前議長のジャネット・イエレン氏への期待が色濃く表れている。
米プルデンシャル・ファイナンシャル社クインシー・クロスビー氏『ダウ平均は米国の産業の進化と歴史の縮図』
20年1月15日に2万9000ドルに到達し、3万ドルを目前にしたところを新型コロナが直撃した。
約10カ月後の11月23日夜、トランプ氏がバイデン氏への政権移行手続きを容認したことが、皮肉にも大台到達のきっかけとなった。
「ダウ平均は米国の産業の進化と歴史の縮図だ」。140年以上の歴史を有し、世界40カ国以上の法人および個人の顧客に金融商品とサービスを提供している米プルデンシャル・ファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏はこう話す。
ダウ平均を構成する30銘柄のうち、実は約半数が年初の水準を下回ったままだ。下落率は航空機大手のボーイング(34%)、石油のシェブロン(21%)などコロナの打撃を受けた銘柄の低迷が目立つ。
一方、年初からの上昇率ではアップル(53%)やマイクロソフト(33%)、ウォルマート(27%)などコロナ禍で在宅需要などをつかんだ銘柄が上位に並ぶ。クロスビー氏はバイデン次期政権の主要閣僚として報じられるメンバーが「経験豊富な主流派で、市場から称賛されている」とも指摘する。
特に財務長官に起用される見通しのイエレン氏は政府に追加の財政出動を求めており、大型経済対策への期待が強まる。
米ペイパル・ホールディングス、ビットコイン(BTC)新規発行7割購入へ
ダウ平均とは別に、市場で大台が注目されるのが急騰中の暗号資産(仮想通貨)、ビットコイン(BTC)だ。
米調査会社のコインデスクによると24日には一時1ビットコイン=1万9400ドル付近まで上昇。17年12月に付けた最高値(1万9000ドル台半ば)に迫り、2万ドル超えも近い。
米オンライン決済大手のペイパル・ホールディングスが10月、仮想通貨を使った支払いサービスに参入を表明したことで、決済利用の幅が広がると期待されている。
ヘッジファンド、パンテラ・キャピタルの推計では直近の数週間で新規発行のビットコインの7割をペイパルが購入しているという。イエレン氏の登用は仮想通貨の市場にも追い風とみられている。「(金融当局は)技術革新を阻害すべきでない」「(ブロックチェーンは)極めて重要で、金融市場の取引手法に示唆を与えうる」。コインデスクのウェブサイトには24日、FRB議長時代のイエレン氏による過去の暗号資産やブロックチェーンに関する好意的な発言が紹介された。
大台が盤石なものになるかは、まず新型コロナの封じ込めと米実体経済の回復にかかっている。