ウクライナ政府が、ロックダウンによる余剰電力で仮想通貨マイニングを提案
ウクライナ政府の燃料エネルギー部門を統括する「エネルギー・石炭産業省」が、ロックダウンによって生じた余剰エネルギーについて、仮想通貨マイニングを提案していることが明らかになった。
ウクライナ政府によると、現在新型コロナウイルスへの対策として都市封鎖を行っており、国内の発電所各所で電力が余った状態となっている。
こうした状況により、政府側から原子力発電所を運営する国有企業「Energoatom(エネルゴアトム)」社に対し、余剰電力を仮想通貨マイニングに利用することができないかとの提案をしたとのことだ。
また、ウクライナのゼレンスキー大統領が国家全体のデジタル化を推進しており、余剰電力の有効活用だけではなく、新たな市場の開発や研究といった狙いもあるようだ。
ウクライナの電力事情
ウクライナでは、原子力発電が総発電電力の約60%を占めており、残りの電力は主に火力発電とその他のシステムによるものとなっている。
1986年のチェルノブイリ事故後は、最高会議決定により新規原子力発電所の建設は中断されていたが、国内の電力不足などから1993年に建設凍結を撤回している。
また、クリミア問題や天然ガス紛争等、ロシアとの関係の悪化などから、ロシアからのエネルギー輸入依存脱却や、原子力発電所の増強、再生可能エネルギーへの転換などを進めている。
拡大するマイニングサービス
先月27日には、大手仮想通貨取引所バイナンス(Binance)が、ユーザーが取引所を通じて低価格でマイニングを行うことのできるサービス「Binance Pool」の提供を開始した。
また、トルコのマイニング企業「iMiner」による、イラン最大のビットコインマイニングファームの設立など、マイニング事業は活発化している。
先月のビットコインキャッシュ(BCH)、ビットコインSV(BSV)の半減期後は、マイナーの移行によるものと思われるハッシュレートの大幅な下落などの現象が見られたが、ビットコイン(BTC)の半減期が残り数日と迫る中、マイニング事業者の動向にも注目が集まる。