イランがトルコのマイニング事業者にライセンスを発行、大規模マイニングファーム設立
イランの産業鉱山省が、トルコに拠点を置くマイニング企業「iMiner」に対し、マイニング事業を行うことのできるライセンスを発行したことを、イランの国営ニュースチャンネルPressTVが報じた。
これにより同社は、人口およそ50万人のイラン北部セムナーン州の中心都市にあるビットコインマイニング施設で、96,000TH/sのハッシュレートで採掘事業を行うことが可能となった。
イラン最大のマイニング施設
イランのニュースサイト「TAbnak」によると、iMiner は311億リアル(730万ドル)を投資し、6,000台のマシンでマイニングを行うことができる、イラン最大のビットコインマイニングファームを設立した。
公式ウェブサイトによると、iMinerは主にマイニング機器のレンタルや、クラウドを利用して企業にリソースをリモートで提供するなどのサービスを行っており、トルコ、ロシア、カナダ、米国で管理サービスやその他のバックオフィスサービスの提供などの実績がある。
イランの電力事情とマイニング事業者の増加
ビットコインマイニングは、最先端の高度なソフトウェアを使用し、より早く複雑な数学パズルを解く必要があるため、大量のエネルギーを消費する。そのためマイニング事業者にとって電力コストを抑えることは重要な課題となる。
イランは総発電電力の過半数を占める天然ガスについて、ロシアに次ぐ世界第2位の埋蔵量で、原油についても世界第4位の埋蔵量を誇る。
このことから、イランの安価な電気料金に目を付けたマイニング事業者が増加し、国内の電力供給に影響し始めたことから、イラン政府は昨年7月、事業者に対する電気料金の引き上げとともに、正式にマイニング事業を承認する形をとった。
イラン政府は現在のところ仮想通貨取引については認めておらず、慎重な姿勢を取っているが、同時に事実上米ドルの影響力を弱めるビットコインの普及について、米による経済制裁など外交上の観点から、深刻なジレンマに直面している。