ロシア政府が、匿名ウォレットの使用を禁止!約1,000万人に影響か

ロシア政府が、匿名ウォレットの使用を禁止!約1,000万人に影響か

ロシア政府が、匿名ウォレットの使用を禁止!約1,000万人に影響か

ロシア政府が法改正により、8月3日以降銀行口座に紐づけされていない匿名ウォレットの使用を禁止した。

法改正により段階的に使用を制限

RBCの報道によると、ロシアの主要なオンライン決済サービスであるYandex.MoneyQIWIPayPalVK Pay、その他の同様のシステムなどを利用するユーザーは、銀行口座を登録することなく匿名でアカウントに入金することができなくなる。

法改正は、マネーロンダリングやテロ資金供与、麻薬やその他の違法サービスを行う組織への資金流入を防ぐことを目的としており、2019年の夏に採択され、今年3月には匿名のウォレットからの現金の引き出しはすでに禁止されていた。

ロシアでは毎年20億件以上、金額にすると1.7兆ルーブルもの電子決済による取引が行われており、その中で約1,000万人が匿名のウォレットを使用しているとのことだ。

交通や個別のサービスに影響

電子ウォレットは、独立したオンライン決済手段としてだけではなく、交通機関で使用する定期券やプリペイド式のICカード、小学生用のカード、企業の食堂用のカードなど幅広く使用されており、これらのサービスのほとんどは銀行を通さずに運用されている。

モスクワ市内やその他郊外の一部の交通機関で広く使用されているICカード乗車券「トロイカ」については、一度交通機関に支払った金額がポイントとして残高に反映されるというプロセスを経るため、法改正の適用外となり今まで通り使用することができる。

しかし、クレジットとしての機能をもつStrelkaカードなど一部のサービスについては、8月3日以降現金による残高の補充が不可能となる。

これ以外にも制限を受けるサービスは多く、関係企業からは、パスポートや銀行口座を持たないティーンエイジャーや市民など身元不明のウォレットを使用している割合が高い層の現金以外での支払いが難しくなることや、これらの問題に起因してデジタル決済への移行に影響が出ることを懸念する声があがっている。