今、COINBOXの記事を読んでいる方の中に仮想通貨Lisk(リスク/LSK)をご存じの方は多いのではないでしょうか。仮想通貨Lisk(リスク/LSK)は、2017年に仮想通貨取引所Coincheckで上場した際に大きく価格を伸ばしました。その後、2018年1月に国内最大級仮想通貨取引所bitFlyerが取り扱いを開始したことで、国内でもさらに知名度があがり、人気の仮想通貨の1つになっています。
仮想通貨の代表的な銘柄にイーサリアムがありますが、そのイーサリアムとLiskは、たびたび比較される事があります。その理由は特徴にスマートコントラクトや分散型アプリ(DApps)のプラットフォームの機能がある点です。
似たような機能を持った他の仮想通貨にはエイダコイン(ADA)やネオ(NEO)、イオス(EOS)などが存在します。
この記事では、その似たような特徴を持つ他の通貨と差別化を図り、着実にアップグレードをしている仮想通貨Lisk(リスク/LSK)の詳細や特徴・将来性について詳しくご紹介していきます。
LSKの最新価格・相場・チャート・評価
Lisk(リスク/LSK)とは
Liskとは、DApps(分散型アプリケーション)の為のプラットフォームです。そのプラットフォーム内で使用される仮想通貨が「LSK」となります。イーサリアムと同様にスマートコントラクト機能を導入しており、さまざまな契約を自動で実行できます。
そもそも分散型アプリケーションとは
分散型アプリケーションとは、企業などの中央管理者が存在しなくても自律して稼働するアプリケーションの事で、「DApps(Decentralized Applications)」とも呼ばれています。
現在、スマートフォンなどで利用している、Facebook、LINEなどいった多くのアプリには管理者が存在し、情報の一括管理や仕様変更など行っています。
一方、DAppsでは中央管理者がおらず、アプリケーションを利用する参加者達でデータを分散管理し、仕様変更などの意志決定に関わる事が可能となっています。
そもそもスマートコントラクトとは
スマートコントラクトとは、簡単に言えば「契約の自動化」です。契約の定義とその契約が執行される条件をあらかじめブロックチェーン上に記録することにより、その条件が満たされた時に契約が自動で行われます。
スマートコントラクトを利用することにより、従来の紙媒体での契約が必要なくなり、印鑑・印紙などもいらなくなります。また、契約の際に時間を裂く必要もなくなりますし、相手が信頼できるとかできないとかは、そもそも関係無くなります。
LISKの歴史
LISKの前身にはCryptiという同じく分散型アプリケーションのプラットフォームの構築を目指すプロジェクトがあり、このCryptiのメンバーだったMax Kordek氏(現Lisk財団、会長)とOlivier Beddows氏(現Lisk財団、CTO)がハードフォークして開発をはじめたのがLISKとなります。
LiSKはICOで2016年2月から2ヶ月で6億円もの資金調達に成功し、当時ICOでは歴代2位の資金調達額となっていました。
また、米Microsoftが各種の企業向け製品の開発・販売で得た経験やノウハウを元に開発されたクラウドサービスである「Microsoft Azure(マイクロソフト・アジュール)」と提携を結んだ事でも注目を集めました。
Lisk(リスク/LSK)の詳細
通貨単位 LSK
運営主体 Lisk財団
総発行量 上限なし
承認方式 DPoS(Delegated Proof of Stake)
Lisk(リスク/LSK)の特徴
イーサリアムとの大きな違いは、プログラミング言語に「JavaScript」を採用していることと、サイドチェーンを採用していることです。この2つがLisKの最大の特徴とも言えます。
人気のプログラミング言語「JavaScript」採用
Liskではプログラミング言語にJavaScriptを採用しています。名前だけなら聞いた事がある人も多いのではないでしょうか。
JavaScriptは、私達が日常で使用しているパソコンやスマホだけではなく、ウェブサイトの構築や、スマホアプリの開発にも使用されいる開発言語です。
それだけ広く普及しているのでJavaScriptを扱えるプログラマーも数多く存在し、仮想通貨業界以外からのプラグラマーの参入が期待できるという強みがあります。
イーサリアムでは、「Solidity」という言語で開発されており、Solidity以外ではイーサリアムのプログラムを書くことができません。
サイドチェーンを使用
サイドチェーンとは、メインのブロックチェーンとは別に存在するサイドにあるブロックチェーンです。
イーサリアムは1本のメインチェーンで成りたっており、メインチェーン上のブロックにDAppsを構築しています。
一方、リスクはメインチェーンと多数のサイドチェーンから成り立っています。基本的に、1つのDAppsに対して1つのサイドチェーンが与えられ、そのサイドチェーン上にDAppsを構築します。
サイドチェーンを使用するメリットの1つには、ハッキングの危険性の軽減やメインチェーンに掛かる負荷の軽減による処理速度の向上などが挙げられます。
サイドチェーンがあることにより、イーサリアムのDAO事件であったようなハッカーによるハッキングが起きたとしても、サイドチェーン上のアプリケーションを書き換えることで対処することが出来ます。
その結果、万が一の事態があっても、メインチェーンを書き換える必要がなくなり、サイドチェーンのハッキングがメインチェーンに影響する事がありません。
このように、重大なバグや問題が起きても対応しやすいメリットがあります。
もう1つの大きなメリットは、一つのブロックチェーンだけでプログラムを運用するより、複数のブロックチェーンを使うことにより、大幅に処理能力が向上するという事です。
これらの特徴が、似たような機能を持ったイーサリアムとの差別化に繋がっています。
コンセンサスアルゴリズム「DPoS」を採用
LiskではDPoS(Delegated Proof of Stake)をコンセンサスアルゴリズムに採用しています。
これはPoS(Proof of Stake)を発展させたものであり、Delegated(delegateは委任する・指名するの意)の語の通り選ばれた代表者がフォージング(ビットコインなどでいうマイニング)するシステムです。
Lisk所持者が投票を行い、最大101人の代表者が選出されます。この代表者のみフォージングすることが可能です。
投票で議員を選出するような民主主義的なコンセンサスアルゴリズムであり、BitcoinのPoW(プルーフ・オブ・ワーク)のように常にブロックの生成権を争わずに済むので、消費される電力は大幅に下がり、トランザクションスピードも飛躍的に高速化します
しかし、投票するにはLisk Nanoウォレットが必要で、手数料がかかります。フォージングの方は投票で上位101位以内に入る必要があり、簡単に参加できるわけではありません。
Lisk(リスク/LSK)の将来性
Liskは、2018年2月にはリブランディングし、2019年8月Lisk Coreでメインネットへアクセスできるようになるなど、着実にアップグレードしています。
日本国内でも比較的認知度も高く、技術面でイーサリアムを凌駕する点を持っていますが、現状では、同じプラットフォームとしての普及にはイーサリアムやエイダ、ネオなどに及びません。
今後、さらなる発展を目指し、プラットフォームとしての有用性のある差別化によりもっと上の地位を確立していく事に期待が集まります。
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