ヨーロッパのスタートアップがブロックチェーンによる音楽の投資プラットフォームを開発

ヨーロッパのスタートアップがブロックチェーンによる音楽の投資プラットフォームを開発

ヨーロッパのスタートアップがブロックチェーンによる音楽の投資プラットフォームを開発

ルクセンブルクに本社を置くANote Musicが、ブロックチェーンを活用した、音楽使用料に投資するためのプラットフォームを2020年7月28日にリリースすることを発表した。

音楽の権利販売により、即時資金調達が可能に

ANote Musicは、これまでの音楽業界のロイヤリティ契約において、パブリッシャー、レコードレーベル、ディストリビューター、マネージャー、アーティストなどのプレーヤー間で非公開で取引されており、このような不透明で非効率的なビジネスモデルを改善し、透明性や権利者の資金調達を確保し、経済的な自立を支援する取り組みを行っている。

今回発表されたプラットフォームは、投資家やユーザーに対し音楽の権利を販売するもので、音楽ファンは、お気に入りのアーティストカタログの音楽の権利を所有することで、音楽使用料を通じて利益を得ることができるようになる。また、同時に作曲者やアーティストは、権利の販売によって即時に資金を調達することが可能となる。

一連の流れはブロックチェーンによって管理されているため、アーティストや権利の所有者にとって信頼性の高いものとなる。

ANote Musicの共同創設者でCEOのMarzio Schena氏は次のようにコメントした。

「投資プラットフォームの立ち上げにより、今年の夏、私たちは音楽業界と資本市場の間のギャップを埋めることができます。私たちの目標は、音楽投資のための株式取引プラットフォームを作成することにより、投資家とアーティストの両方にとって音楽の隠れた価値を解き放つことです。音楽業界で従来のシステムに革命を起こしながら、代替投資のパイオニアであることに興奮しています。」

日本の音楽業界の動向

4月にエイベックス子会社であるエイベックス・テクノロジーズ、Vobile Japan、NexToneの3社が、ブロックチェーンとAIを活用した次世代著作権管理システムの実証実験を行うことを発表した他、日本音楽著作権協会(JASRAC)が、ブロックチェーンによる著作物や使用料の管理に関する実験を行うことを発表している。

日本においても、音楽業界における著作権やロイヤリティに関する不透明性の指摘や、それに付随した諸問題が度々報じられており、今後もブロックチェーンやその他の先進技術を活用した改善への取り組みが増えていくものと思われる。