米自動車大手GM、ブロックチェーンを活用したナビゲーションマップで特許申請
デトロイトに本社を置く米大手自動車メーカー「GM(ゼネラルモーターズ)」が、ブロックチェーンを活用して情報を更新するナビゲーションマップについての特許を申請していることが、2020年4月2日に公開された申請資料により明らかになった。
複数の車両からの情報をブロックチェーンに蓄積
現在主流となっているマッピングシステムは、ある特定の車両を用いて情報を収集し、それらのデータを統合した上でマップ情報が更新されるため、非常に大きなコストと時間がかかることになる。
今回特許申請された自動車用の分散型ナビゲーションマップでは、複数の車両に取り付けられたセンサー(不一致検出器など)から収集されたGPS情報を含んだ差異データを、テレマティクスモジュール(主に車載用として利用されることが多い双方向通信可能な小型通信モジュール)を介し、ブロックチェーンマップネットワークに送信される。
送信されたトランザクションは、異なる車両から送信されたものとデータを比較・検証され、常に最新のマップ情報がリアルタイムで更新されていくといった仕組みだ。
差異データの中には、道路に沿った車線の変化、交通標識、制限速度の変化、および走行する際の道路状態などの詳細な道路変化の情報も含まれる。
既存のナビゲーションマップは、データの更新に数か月から数年かかる製品が多く、データの中身自体を手動で更新しなければならない製品も見られるが、本システムによる製品化が実現すれば、上記の問題を解決し、常に信憑性の高い地図情報を取得することが可能となりそうだ。
自動車業界でのブロックチェーン活用範囲の拡大
GMにおいては昨年10月に、ホンダ、BMW、フォード・モーター、ルノーを合わせた5社による、高速料金や車の修理などの支払い履歴をブロックチェーン上に記録し、まとめて自動払いするサービスの実証実験を行うことを発表している。
また、3月に発表されたトヨタによるブロックチェーンを活用したID基盤の構築およびID間の連携に関する実証実験など、自動車業界においてブロックチェーン技術が幅広く活用されつつある。