トヨタ、ブロックチェーン活用し人と車を繋げるー実証実験を実施

トヨタ、ブロックチェーン活用し人と車を繋げるー実証実験を実施

トヨタ、ブロックチェーン活用し人と車を繋げるー実証実験を実施

トヨタファイナンシャルサービス株式会社と、米国のデジタル証券プラットフォームを提供するSecuritize Inc.の傘下である株式会社BUIDLは、ブロックチェーンを活用したID基盤の構築およびID間の連携に関する実証実験を実施したことを発表した

ブロックチェーン技術が幅広い領域における基盤技術となる

同実証実験は、2019年4月に設立された「トヨタ・ブロックチェーン・ラボ」における取り組みの一つであり、ブロックチェーン技術が幅広い領域における基盤技術となる可能性を見据えた、ID間連携に関する実証実験であるとのこと。

Personal IDは、消費者が自身の情報を管理できる自己主権型IDをコンセプトに開発され、発行、証明書を利用した認証およびPersonal IDに紐づく契約締結に加え、ポイント支払いなどの処理を実装しているという。
また、Personal IDは将来的にはトヨタグループ外でも共通IDとして様々なシーンでの利用を可能とすることを目指した開発を行った。

Vehicle IDは、車両情報の登録や整備情報、情報閲覧権限の管理、所有権の移転などが可能な基盤を構築し、Vehicle IDに紐付く車両情報は、Personal IDに紐づいた所有権や閲覧権限を制御されるよう、相互の基盤は連携して動作するという。
また、目的に応じてシームレスに動くような設計となっており、スケーラビリティが必要な処理はレイヤー2ブロックチェーンを使用し、秘匿化が必要なVehicle IDに関してはコンソーシアムブロックチェーンで管理する。

出典:株式会社BUIDL プレスリリース

この開発には米国のブロックチェーンセキュリティ企業Quantstamp社と両社の知見を持ち寄り開発が完了し、Vehicle IDおよびPersonal ID間の連携、権限管理などにおけるブロックチェーン技術の有用性を確認することができたようだ。

トヨタ・ブロックチェーン・ラボが目指す未来

トヨタ・ブロックチェーン・ラボは、トヨタ自動車、トヨタファイナンシャルサービス、トヨタファイナンス、トヨタシステムズ、 デンソー、豊⽥中央研究所のグループ6社を構成会社としたバーチャル組織である。

IoTなどの普及により、あらゆるモノ、サービスが情報でつながり、利便性や効率性が向上する一方で、情報の漏洩や改ざんなどのセキュリティ管理が重要視される。
トヨタがブロックチェーン技術に着目する背景には、ブロックチェーンは有用な技術基盤であるとともに、高い改ざん耐性やシステムダウンによる障害に強いという特性があり、情報の信頼性を向上させ、安全なデータ共有を実現できることを挙げている。

出典:TOYOTA

トヨタ自動車は2020年1月7日に、あらゆるモノやサービスがつながる実証都市“コネクティッド・シティ”プロジェクトの概要を発表し、2021年初頭に着工する予定だ。
このコネクティッド・シティプロジェクトは、実際に人々が生活を送る環境のもと、自動運転、モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、AIなどを導入・検証できる実証都市を新たに作り、あらゆるモノ、サービスが情報でつながっていく時代を見据えた新たな価値やビジネスモデルを生み出し続ける狙いがある。

トヨタの豊田章男社長は次のように述べている。

将来の暮らしをより良くしたいと考えている方、このユニークな機会を研究に活用したい方、もっといい暮らしとMobility for Allを私たちと一緒に追求していきたい方すべての参画を歓迎します。

トヨタ・ブロックチェーン・ラボの取り組みは、未来のVisionを具現化するものであり、この様々な実証実験が私達の将来の暮らしをより良くしていくこととなるだろう。