英ブロックチェーン企業Agriledgerがハイチで農業エコシステムを構築

英ブロックチェーン企業Agriledgerがハイチで農業エコシステムを構築

英ブロックチェーン企業Agriledgerがハイチで農業エコシステムを構築

イギリスに拠点を置くスタートアップ企業Agriledgerが、カリブ海・イスパニョーラ島西部に位置するハイチ共和国の農家に向けた包括的なブロックチェーンエコシステムを構築した。

ハイチの地図

ハイチの主要産業の一つである農業に特化したブロックチェーンシステムプロバイダーであるAgriLedgerは、昨年から世界銀行支援のビジネス開発プロジェクトの枠組みの中で、このパイロット事業に取り組んでいた。

このプロジェクトの目的は、トレーサビリティと支払いのためのブロックチェーン技術ソリューションを導入することで、ハイチの農家が製品を公正な価格で販売できるようにすることだ。

ハイチにおける農家の困窮

ハイチでは、国による農業政策が何十年にもわたり失敗を繰り返しており、また、2010年に起こった大規模な地震によって引き起こされた、インフラやシステムの障害が完全に復旧しておらず、そのため農家は非効率的なサプライチェーンプロセスに頼らざるを得ない状況となっていた。

今回のシステムの構築により、農家と消費者の両側の信頼を促進し、農家の収入の安定と、消費者に対してより良い商品の提供を行うことができる。

また、サプライチェーン全体の透明性とトレーサビリティの向上や、データ管理の大幅な効率化などが期待される。

農家とサプライチェーンの一体化

Agriledgerのブロックチェーンソリューションでは、各農家は割り当てられたデジタルIDを介してシステムに一括登録され、金融サービス、物流、保険、その他のサービスにアクセスすることができる。

また、農産物をトークン化してP2Pで取引を行うことも可能となり、商品市場がより拡大されることとなる。

最終的に、Agriledger は、 SaaS(Software-as-a-Service)対応のマーケットプレイスの作成を計画しており、コミュニケーションと注文管理プラットフォームによって、食品サプライヤーと小売業者間の取引を容易にすることを目指している。

先月にはフランス最大手の食品加工会社の1つであるAvril Groupが、ブロックチェーンによる食品追跡ネットワーク「IBM Food Trust Network」へ参加したことを発表しており、農業、食品業界におけるブロックチェーン技術の発展に今後も注目したい。