情報通信研究機構、AIプログラムを用いてSNSから知能や性格を見抜く実験成功!
29日、総務省傘下の情報通信研究機構がSNSから本人の知能指数(IQ)や精神状態、生活習慣を見抜く実験を行い、成功したことが日本経済新聞の取材で明らかになった。
人工知能(AI)を用いたごく初期段階の実験ではあるが、わずか140文字の投稿で個人のプライバシーを明らかにすることが可能となる関係で、情報通信研究機構側は悪用を懸念してAIプログラムの公開を見送る対応をとると判断した。
SNS情報から個人の特徴を読み取ることが可能に
現在SNSは社会生活を営む上でインフラになっており、日常生活に不可欠な存在としてその地位を築いているといえる。
今回行われた実験では短文投稿SNSサイト「ツイッター」に投稿された内容をAIが学習し、個人の内面特性を把握することが可能になった。またIQなどの知能や性格のほかにも、その個人の精神状態、飲酒や喫煙などの生活習慣、人生の満足度も読み取ることができたという。
これまでも、研究者はSNS情報を用いて個人情報の解析に取り組んでいたが、その結果大まかな傾向がわかっただけであった。
今回はAIを効果的に用いることにより、少ないデータでもより細かな個人の特徴まで把握することが可能になったとのことです。
どのように個人特性が読み取られたのか
個人特性はツイッターを日ごろ使う239人に最大数十のアンケートをとり、個性にまつわる項目ごとに回答してもらい、ツイッターの投稿内容とともにAIに学ばせるところから実験が始まり、アンケート結果を集計しAIに読み込ませた結果、ツイッターから人々の内面特性を次々と発見することが出来た 。
AIが学習を行い、個人特性を自動で把握することが出来るようになれば、個人のストレスチェックや信用力調査などの様々な分野での応用が考えられる。
SNSは自分を表現する場所でもあり、適切に使うことができれば真の自分をアピールすることもでき、自分では気づかない一面を知ってもらうきっかけにもなるため、今後も業界として発展していくことは間違いない。
新技術の開発は産業や経済を大きく変え、その変化に伴うリスクはそれぞれ個人の判断に任されるといえるだろう。