リップル(XRP)は暗号資産?有価証券?境界線の議論再熱

リップル(XRP)は暗号資産?有価証券?境界線の議論再熱

リップル(XRP)は暗号資産?有価証券?境界線の議論再熱

24日、暗号資産(仮想通貨)と有価証券の境界線の議論再燃を、日本経済新聞が報じた

米証券取引委員会(SEC)が22日付で、米リップル社が取り扱う仮想通貨「XRP」を有価証券とみなし、投資家保護に違反したとして提訴したことを当記事でも報じたが、リップル社は日本を含め世界で100を超える企業と国際送金のインフラづくりなどで提携しており、戦略見直しを迫られる企業も出てきそうだ。

米証券取引委員会、ビットコインとイーサリアム「有価証券ではない」

分散型台帳(ブロックチェーン)技術を利用した国際送金ネットワーク「リップル・トランザクション・プロトコル」を通称リップルと呼ぶ。そのネットワークに乗せる仮想通貨がXRP、その管理主体がリップル社になる。

米SECが裁判所に提出した訴状によれば、リップル社は2013年以降、世界の投資家にXRPを売却することで資金調達をしてきており、その金額は少なくとも約13.8億ドル(1400億円)になる。

XRPが株式のような有価証券の役割を果たしてきたのではないかという問題提起だ。SECは仮想通貨が有価証券に該当するかについて「金銭の投資である」、「利益を得られる期待がある」など40項目のガイドラインを公表している。

これに該当すれば、有価証券の可能性が高まるが、最後はSECによる総合判断になる。この基準に沿ってSECはビットコインとイーサリアムについて「有価証券ではない」との判断を示した

一方、時価総額4位のXRPはビットコインと違い、リップル社という明確な管理主体が存在するため、有価証券に近いのではないかという懸念を抱く

米、一部仮想通貨取引所「リップル(XRP)」取扱停止へ

SECが特に問題視しているのがXRPの販売方法にある。リップル社は日本を含む世界の仮想通貨交換業者にXRPのインセンティブ・プログラムを提案してきた。

業者は流通市場で仕入れるよりも1~3割安く仕入れられる一方、リップル社は発行コストが少なく資金を得られる。SECの訴状を受けてXRPは日本時間23日午後9時時点で3割強下落している。

リップル社のブラッド・ガーリングハウス最高経営責任者は「仮想通貨業界と米国の技術革新に対する攻撃だ」と反発。同社に出資するSBIホールディングスの北尾吉孝社長もツイッターで「日本の金融庁はXRPは証券ではないと明言している」と述べた。

金融庁に登録する仮想通貨交換業者が取り扱ってよい仮想通貨リストの中にXRPが入っていることを念頭に置いているとみられる。金融機関への影響は大きそうだ。

リップル社と提携する企業は100社を超える。海外ではUBSやバークレイズ、日本では三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループなど名だたる企業が並び、国際送金の実証実験を始めている。ある金融機関の幹部は「弁護士と相談を始めた」という。

米国の一部の仮想通貨交換業者ではXRPの取り扱いを停止する動きも出始めている。リップル(XRP)を取り巻く環境も一日単位で大きく変わっていくだろう。

 

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