FXコイン、SBIホールディングスと仮想通貨リップル(XRP)の価格変動リスク回避の実証実験開始!
2日、2017年設立の暗号資産(仮想通貨)交換業のFXコイン(東京都・港区)は、ソフトバンクグループの金融関連企業のSBIホールディングス(東京都・港区)などと共同で、米リップル社などが開発する仮想通貨リップル(XRP)を使い暗号資産(仮想通貨)の価格変動リスクを回避する仕組みを構築し11月にも実証実験開始することを日本経済新聞が報じた。
時価総額ランキング4位の仮想通貨リップル(XRP)について
大手データサイトCoinMarketCapの時価総額第4位につけたリップル(XRP)について説明しておこう。
今から16年前、アメリカ・カリフォルニアに本拠地を置くリップル社(Ripple, Inc.)のRyan Fugger氏が2004年から貨幣システム開発を始め、仮想通貨の代表格ビットコイン(BTC)以外のアルトコイン(altcoin)の代名詞になりつつあるリップル(XRP)を開発した。
特徴としては国際間送金や、銀行間送金にかかる速度と安価を追及した仮想通貨の1つである。リップル社という明確な管理主体が存在し、取引データの処理が同社や第三者機関の管理するサーバーで行われる点、ビットコインとは違った仕組みになっている。
さらに取引に関わる人が分散して保存するブロックチェーンとは異なり、リップル社が管理・認定するバリデーター(validator)と呼ばれる承認者の多数決により取引データが処理されるコンセンサス・アルゴリズム(consensus algorithm:承認方式)である。
記憶に新しい国内のニュースとしては、2018年3月に日本国内でオンデマンド決済提供のためにリップル(XRP)ベースのモバイルアプリ「マネータップ」をSBIリップル・アジアがリリースし現在ではスルガ銀行、住信SBIネット銀行、愛媛銀行の三行間で送金ができる仕様となっており、近年、インド・ムンバイにオフィスを構えグローバル展開している。
FXコインとスワップ契約を結び事業者は仮想通貨利用の選択肢拡大へ
現在は現物取引のみなので、企業などが仮想通貨で送金し、一定期間後に受け取る企業が日本円や米ドルなどの法定通貨に戻そうとすると、価格変動リスクを背負うことになる。
スワップ市場を通じて価格を固定できる外国為替などに比べ使い勝手が悪く、利用の障壁となっている。
まず送金会社がSBIホールディングスグループからXRPを購入し、受取会社に送付する。受取会社はFXコインとスワップ契約を結ぶことで、受け取りまでの期間の価格変動リスクを回避できる。
国境を越えての送金の場合、送金する事業会社にとっては現金に比べてコストを2~3割下げられる利点があるという。企業にとっては仮想通貨利用の選択肢が広がりそうだ。
例えば、グループ企業の資金を総合管理する「グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム(GCMS)」では、送金手数料を抑えるために一定金額がたまってから送金する企業が多い。
仮想通貨なら小口送金がしやすくなる。スワップ取引ができるかどうかは市場全体の成長性に直結する。外国為替市場の市場規模は6兆5950億米ドル(約690兆円、国際決済銀行調べ)なのに対し、仮想通貨は410億ドル(4兆円強)にとどまる。
外国為替市場の取引の約半数はスワップ取引で、「企業や機関投資家が仮想通貨を利用しやすくするにはスワップ取引が欠かせない」(FXコインの大西知生社長)という。
今後送金時に将来受け取る価格を固定できるようになれば、企業や機関投資家の活用がきっと増えるだろう。