マスク着用でも判別可能!NECが顔と虹彩を組み合わせる生体認証端末を開発 

マスク着用でも判別可能!NECが顔と虹彩を組み合わせる生体認証端末を開発 

マスク着用でも判別可能!NECが顔と虹彩を組み合わせる生体認証端末を開発 

13日、NECは「顔認証」と「虹彩認証」を組み合わせることにより個人を特定し、識別を行うことを可能とする生体認証端末を開発したことを日本経済新聞が明らかにした。 

顔と虹彩(こうさい)という二つの部位の認証を組み合わせることにより、個人特定の精度を高めることを可能にし、新型コロナウイルス感染拡大によりマスクの着用率が増加している現在において、マスクを着用したままでの判別が可能になるとのことです。

 NECが開発した新技術 

NECは、元々生体認証判別に強みを持っており、その顔認証システムは東京五輪・パラリンピックの入場ゲート通過時においても利用される予定であった。

今回元々強みのあった顔認証システムに、左右の虹彩という条件を加味して複数の認証技術を重複させることにより、顔の半分近くが覆われてしまうマスクや防護服を着用したままでも高精度で識別することが可能となった。

現実には、数千万から数億人の個人を識別判定することが可能であり、この二つの認証システムをかみ合わせて判定する機器は大変珍しいという。

新認証システムの精度 

NECによると、顔認証と左右の虹彩という二つの認証技術掛け合わせることにより、個人の生体認証に誤った判断をする確率は100億分の1以下に抑えられるという。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、自社内において顔認証システムだけを稼働させて、マスクを着用させたまま個人を判定する実験を実施したが、マスク着用時には着用していない場合に比べ、顔のあらわになっている部分をもとに比較を行うため、虹彩を組み合わせた認証方法に比べて識別の精度は低くなるという。

また、事前に個人情報として顔や虹彩の情報を登録する必要性はあるが、一旦登録してしまえばマスクなどで顔の一部が覆われていても認証時に外す必要はなく、虹彩や顔の一部の特徴から2秒程度で個人を識別することが可能であるとのこと。

 生体認証技術が用いられる分野・可能性 

今回発表された高精度の生体認証システムは、例えば利用者が膨大なATMでの本人確認や、マスクや防護服を着用する医療現場などでの活用、実際に鍵を所有する必要性がないスマートキーとしての利用、そして監視カメラなどの管理に応用することが可能である。

先月発表された「NEC AIアクセラレーター」との親和性も高いため、通信量の削減やセキュリティー対策としても大変有用であるといえる。

新型コロナウイルスの影響で、日を追うごとにリモートワークや3密を回避するための技術への注目は高まってきている状況下でNECは今回発表した生体認証システムについて、2021年度からの実用化を目指しています。