仮想通貨に係る改正資金決済法の施行時期5月1日と発表!金融庁、パブコメ回答公表!
2020年4月3日、内閣府が発行している機関紙である「官報」において、「仮想通貨に係る改正資金決済法」の施行時期が発表された。
この改正案は、2019年5月31日に参議院本会議で可決・成立した「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」の施行に伴い、関係法令などの制度整備が中心となっています。
今回の発表で、この法律の施行時期は5月1日から適用されることが明らかになりました。
法改正による整備対象
2019年5月に可決・成立した「改正資金決済法・改正金融商品取引法」には、仮想通貨や仮想通貨交換業者などに関する規制強化策が盛り込まれていた。
改正資金決済法では、「仮想通貨」の名称を「暗号資産」(Crypto-asset)に変更。G20などの国際会議でも「暗号資産」との呼び名が一般化しており、金融庁も『国際的な動向等を踏まえた』と名称変更の理由について説明。
また、顧客資産の保護を目的に規制を強化。交換業者に対しては、顧客の暗号資産を原則としてコールドウォレット等信頼性の高い方法で管理することを義務付けます。さらに、収益分配を受ける権利が付与されたICOトークンについて、金融商品取引規制の対象となることを明確化します
金融庁、改正案に対するパブリックコメントを公表
金融庁は4月3日、1月14日から2月13日かけて行っていた「令和元年資金決済法等改正に係る政令・内閣府令案等」に関するパブリックコメントの結果を公表した。
172の個人及び団体より延べ398件のコメントが寄せられていたことがわかった。
パブリックコメントは、国の行政機関が政令や省令等を定めようとする際に、事前に、広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的とするものです。
政省令案や内閣府令案の内容は、セキュリティトークンオファリング(STO)や、カストディ、仮想通貨デリバティブ取引など焦点となっていた。また、一般的な取引について、最も注目をあびていたのが、証拠金取引の規制について、証拠金倍率の上限が現状の4倍から2倍に変更される点である。
今回のパブリックコメントの「証拠金規制」にて証拠金倍率を2倍とすることへのコメントに対して金融庁は以下のような回答をしている。
暗号資産を用いた証拠金取引は、FX 取引と同様に、証拠金を上回る損失が発生するおそれのあるリスクの高い取引です。
特に、個人顧客を相手方とする高レバレッジの暗号資産を用いた証拠金取引については、① 顧客保護(ロスカット・ルールが十分に機能せず、顧客が不測の損害を被るおそれ)② 業者のリスク管理(顧客の損失が証拠金を上回ることにより、業者の財務の健全性に影響が出るおそれ)③ 過当投機の観点から問題があると考えています。
こうしたことを踏まえ、想定元本の 50%以上の証拠金の預託を受けずに業者が暗号資産を用いた証拠金取引を行うことを禁止することとしたものです。
また、証拠金倍率の上限を2倍とすることで国内の業者が使われなくなり、利用者は海外業者に流れるのではないか。とのコメントについて
日本の居住者のために又は日本の居住者を相手方として暗号資産を用いた証拠金取引を業として行う場合には、金融商品取引業等の登録が必要。
金融庁では、無登録営業を行う業者に対する警告書の発出等の対応を行い、捜査当局及び消費者庁等の関係当局に連絡をするとともに、利用者に対する注意喚起を行っています。さらに、海外の関係当局とも連携を行っているところです。
また、証拠金倍率を2倍上限への見直しについて、金融庁は「一般論として、暗号資産を用いた証拠金取引を取り巻く状況の変化等に応じ、必要な場合には、規制の見直しを検討していく」との回答もしている。
他にも多くのコメントが寄せられており、公表されたコメント・金融庁の考えは280件が記載されている。