PayPal「Venmo」とSquare「CashApp」、ユーザー数大幅増加で過去最高益を記録!
9日、北米デジタルウォレット市場での米決済大手ペイパルの「Venmo(ベンモ)」とジャック・ドーシー率いるスクエアの「CashApp(キャッシュアップ)」のユーザーは1年前と比べてベンモは26%、キャッシュアップは59%それぞれ増え両社の決算は2020年4月~6月期の両社の決算は過去最高を記録したことを、日本経済新聞が報じた。
ペイパル、前年同期比52%増で過去最高益を達成!
今年は急速にライフスタイルが変化した1年だった。決済手段も大きく変革を遂げようとしており新型コロナウイルスの背景のなか現金は極力利用せずデジタル決済に移行する利用者が増えた。そのような中、ペイパルの「Venmo(ベンモ)」とSquareの「CashApp(キャッシュアップ)」の2大モバイル決済利用者が急増しているそうだ。
両社はこれまでの銀行決済に代わる存在になるべく機能拡張を競い、最近では暗号資産(仮想通貨)ビジネスでも対決色を強めている。
2012年、ペイパルはベンモをわずか2600万ドルでブレインツリーから買収し、今年4月~6月期だけで総決済金額は370億円を上げた。
今年10月にはクレジットカードを発行し最大3%のキャッシュバックをユーザーに付与している。さらにペイパルは10月、暗号資産(仮想通貨)の取り扱いを21年初めに開始し、21年1~6月期にはこの機能をベンモにも拡大すると発表した。
なおユーザー数も1年で6000万人を突破している。
スクエア、「送金、決済、貯蓄、投資」フルサービスの金融機関へ
一方、最近世間を賑わせた5000万ドル分のビットコイン(BTC)を購入したジャック・ドーシー率いるスクエアのキャッシュアップもSNSでの風変わりなキャンペーンが功を奏し、昨年末から月間アクティブユーザーも20%増え今年6月には3000万人を突破し、今年4月~6月期の純利益も2億8100万ドルと破竹の勢いである。
キャッシュアップでは株の購入機能に加え2018年からはビットコイン(BTC)も購入でき、2017年には現金引き出し機能付きのデビットカード「キャッシュカード」を発行し、機能的には個人間送金ウォレットから当座預金口座になった。
キャッシュアップは「送金、決済、貯蓄、投資」を備え、表現するのであればフルサービスの金融機関のようになっている。今後はベンモのように独自のクレジットカードを発行する可能性も大いにある。
「Venmo(ベンモ)」と「CashApp(キャッシュアップ)」は、新型コロナウイルスの世界的大流行が追い風となり波に乗っている。
両社はあくまでも北米の人々に浸透しているが、アジア市場では中国だとアリババ集団系の「支付宝(アリペイ)」と騰訊控股(テンセント)の「微信支付(ウィーチャットペイ)」が市場を独占し、デジタルウォレットはPOS(販売時点情報管理)での決済の48%を占めているのが現状だ。デジタルウォレット市場での熾烈な争いが今後も続きそうだ。