NEC、アバロック社買収によりデジタルファイナンス分野へ進出！
３日、スイスの大手金融ソフトウェア企業であるAvaloq Group AGを１００％所有する持株会社であるWP/AV CH Holdings IBV.の全株式取得について、NECが取得する意向であることが日本経済新聞の取材で明らかになった。
NECは全株式取得に掛かる費用約２３６０億円については自己資金について賄い、今後2021年4月までの買収完了を目指す。
デジタルファイナンス分野に世界進出へ
Avaloq社は１９８５年設立されソフトウェア開発および提供する法人で、スイス・フライエンバッハが本拠地である。銀行の勘定系システムでの評価が高く、顧客ごとに最適化された資産運用アドバイスをするなど独自のサービスを提供している。
現在、世界３０か国１５０を超える世界中の顧客へソフトウェアシステムAvaloqBanking Suiteを提供しており、２０１９年１２月期は売上約７００億円（約６.１億スイスフラン）をほこっている。
１０月５日、NECは記者会見を開き、新野隆社長は今回の買収について次のように語っている。
“（日本国内でも）現預金から運用へ、といった流れの中で今後金融機関が強化していく分野だ。人工知能（AI）やブロックチェーン（分散型台帳）などNECに強みのある技術との親和性も高い”と今後の成長への期待を表し、さらに金融機関のシステムと行政の連携が海外では進展していることを例に“デジタルガバメント（電子政府）でのビジネス機会にもつながる”
ICT を活用した社会ソリューション事業の注力
NECは人工知能技術や生体認証技術などを活用のうえ、デジタルガバメント領域を中心に事業展開し、安心・安全で公平・効率な社会の実現を目指す。
金融業界では昨今新たな収益源の獲得のため、デジタル技術を活用したサービス創出が目立っている状況だ。今回の買収により市民へ公平なサービスの実現を期待したい。