コインチェックNEM流出事件、不正取得の男2人を逮捕!
2018年1月、国内仮想通貨取引所コインチェック(Coinchekc)から約580億円相当の仮想通貨XEMが不正アクセス(ハッキング)によって流出した事件で、流出したXEMを不正に取得した疑いで男2人が警視庁サイバー犯罪対策課に逮捕されたことがFNNの独自取材で明らかになった。
事件発生から2年以上経ち、この事件での初の逮捕者が出たこととなる。
警視庁によると、違法薬物や偽造クレジットカードなどの違法取引が行われるダークウェブ上で販売されていたXEMを、この事件で流出したXEMであると知りながらビットコインと(BTC)交換し不正に取得したとして、11日午前「組織犯罪処罰法違反」の疑いで逮捕したという。
逮捕された男は大阪府在住の男(30代会社役員)と北海道在住の男(30代医師)の2人。
捜査関係者によると北海道の医師は「お話しできません」と供述し、大阪府の会社役員は、流出したおよそ2,400万XEMを200回以上に分けて不正に取得し、このXEMをビットコインに交換し、利益を得ていたとみられている。
警視庁は、ハッカーの特定を急ぐ方針だ。
※NEM(ネム/XEM)とは
NEMとは、「New Economy Movement(新しい経済運動)」の略称でブロックチェーンサービスを作成する為のプラットフォームで、プラットフォーム内で利用される独自通貨を「XEM(ゼム)」といいます。
この報道を知り、事件の被害者の一人であるお笑いコンビ、藤崎マーケットのトキさんがツイッター上で怒りのコメントを投稿している。
ようやく出てきやがった!!
歯ぁくいしばれや!!NEM流出事件 初の逮捕者 2020年3月11日 https://t.co/VAb0D4Owca
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) March 11, 2020
トキさんは事件当時ツイッターで「コインチェックの仮想通貨が全て盗まれました。貯金すべてなくなりました。仕事下さい。」とつぶやいており、翌日から【コインチェックにてNEM盗られ日記】と題した投稿を、1か月半にもわたり投稿し、惨状を報告していた。
コインチェックNEM流出事件
2018年1月26日に日本国内仮想通貨取引所コインチェック(Coincheck)で約580億円相当のXEMが不正アクセス(ハッキング)によって流出した事件。
これは、現時点での世界最大のハッキング事件である。
コインチェックはXEMをオフライン下で管理せず、コールドウォレットで管理していなかった事、セキュリティを向上させる為のマルチシグという機能を活用していなかった事が原因とされている。
コインチェックは事件発生翌日の2018年1月27日にNEMの保有者26万人全員に対して日本円による補償を行うこと、及び補償分の金額は自己資産から捻出する事を発表。そして、2018年3月12日にNEM流出事件による被害額の補償が日本円で実施された。
この事件は、取引所のセキュリティの甘さにつけこまれ不正アクセスを許したことが原因であり、流出したNEM自体には何の落ち度もない。しかし、ハッキングされたという事実は世界中で取り上げられ仮想通貨のイメージを著しく低下させるきっかけとなった。
今回の逮捕で、犯人特定の足掛かりとなることが期待される。