日銀が「デジタル通貨グループ」を新設、CBDCの利用検討を進める

日銀が「デジタル通貨グループ」を新設、CBDCの利用検討を進める

日銀が「デジタル通貨グループ」を新設、CBDCの利用検討を進める

日銀が7月20日、決済システムの整備や業務継続体制の充実などの取り組みを行う決済機構局内に「デジタル通貨グループ」を新設したことを、ロイター通信など複数のメディアが報じた。

CBDCの本格的な検討推進へ

グループは、今年2月につくられていたCBDC研究チームを改組したもので、決済機構局審議役の奥野聡雄氏を長とし、10名程度の規模で編成される。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の利用をはじめとし、決済システム全体のデジタル化や近代化などについて検討されるとのことで、海外の中央銀行や国際決済銀行(BIS)と連携した、デジタル通貨の実現可能性の調査についても引き続き行われる。

諸外国での議論活発化を背景に

昨今デジタル通貨の有用性や実現可能性についての議論が諸外国で活発化しており、デジタル人民元の導入を間近に控えているとみられる中国をはじめ、本格的な導入に向けた開発を推進している国もいくつか見られる。

こうした中今月17日、政府の政策枠組みである経済財政運営と改革の基本方針2020(骨太方針2020)が経済財政諮問会議での答申を経て閣議決定され、その中で中央銀行デジタル通貨(デジタル円)の採用についても検討事項として含められていた。

今回既存のチームを格上げして正式にグループとして新設した形となり、CBDC導入についての議論も活発化させるものとみられるが、慎重な動きを見せてきた日銀の今後の動向にも注目したい。