ブラジル中銀、Facebookが運営する「WhatsApp」のモバイル決済を一時停止
ブラジル中央銀行が、Facebook社の運営する人気メッセンジャーアプリWhatsAppによるモバイル決済を一時停止するようカード会社に命じた。
サービス開始から1週間での停止命令
このサービスは、メッセージアプリを提供するWhatsAppが、親会社であるFacebookが2019年11月に発表したオンライン決済サービス「Facebook Pay」を利用して行うモバイル決済サービスで、6月15日からブラジルでの提供がスタートしたばかりだった。
ブラジル中央銀行の声明によると、「相互運用性があり、高速で、安全で、透過的で、オープンで安価な支払いシステムの機能を保証する適切な競争環境を維持すること」を目的として今回の停止命令を下したとしている。
今回命令が下されたのは、VISAとMastercardの2社で、ブラジル中央銀行の決定に従わない場合は、罰金や行政処分などの厳しい罰則が科せられるとのことだ。
サービス再開の可否は現在のところ不明
ブラジル中央銀行は、WhatsAppによるモバイル決済サービスの問題点と、今回の停止命令について声明の中で次のように述べている。
この措置により、中央銀行はブラジル決済システム(SPB)が適切に機能する可能性のあるリスクを評価し、2013年の法律12.865で規定されている原則と規則の遵守を検証することができます。レギュレータは、特に競争、効率、およびデータのプライバシーに関して、SPBに回復不能な損傷を与える可能性があります。
先日更新されたWhatsAppのブログでは、ブラジルの人々と1,000万を超える中小企業のためにサービスを展開し、安全で簡単な送金と、デジタル経済の発展に寄与したいとの発表がされていた。
支払いシステムのセキュリティについても、6桁のPINや指紋認証を用いて不正な取引を防ぐとしていたが、今後部分的な改善等によりサービスの再開が可能なのかどうかは現在のところ不明である。