カナダ銀行がCBDCの導入について検討!

カナダ銀行がCBDCの導入について検討!

カナダ銀行がCBDCの導入について検討!

カナダの中央銀行であるカナダ銀行・副総裁のTimothy Lane氏が、ケベック州モントリオールで開催された、仮想通貨、ブロックチェーン、人工知能、デジタルトランスフォーメーションなどに関するイベント「FINTECH RDV 2020」にて講演し、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入について考えを示した。

現時点で差し迫ってデジタル通貨を導入する必要性はみられない

カナダにおいて現行の支払いシステムが十分に機能しており、デジタル通貨を導入するにあたっての説得力のある事例は見られないが、必要性がより明確になった場合は迅速に導入に向けて動く準備はしており、プロトタイプのデジタル通貨の開発についても積極的に行っているとのことで、Lane氏は以下のようにコメントした。

「CBDCを発行する決定が下された場合、CBDCの可能性がどのように見えるか、どのように管理できるかを検討するために前進する必要があります。」

また、仮想通貨が一般的に普及することによって、カナダドル(CAD)に対し潜在的に脅威をもたらす可能性があることについても言及した。

「1種類以上のデジタル通貨がカナダドルの代替として広く使用される恐れがある場合、中央銀行が発行したデジタル通貨を使用して通貨の主権を守る可能性が出てきます。」

各国中央銀行によるCBDC導入への動き

国際決済銀行(BIS)による66の中央銀行を対象にした年次調査報告によると、80%は何らかの形でCBDCについての取り組みを行っており、40%近くは実験や概念実証の段階に進んでいる。

積極的に導入に向けての動きが見られるのは発展途上国に多いが、中国においてはいわゆる「デジタル人民元」を開発していることで知られ、2019年11月には既にテスト段階にあると述べられた。

また、先月21日には日本銀行、イングランド銀行、欧州中央銀行(ECB)など7つの中央銀行とBISがCBDCの「国境を超えた相互運用性を含めて、経済的、機能的、技術的な設計の選択肢」に関する知見を共有するためのワーキンググループの新設を発表していた。