スウェーデン中央銀行がe-krona(CBDC)のテスト運用を開始!

スウェーデン中央銀行がe-krona(CBDC)のテスト運用を開始!

スウェーデン中央銀行がe-krona(CBDC)のテスト運用を開始!

スウェーデンの中央銀行であるリクスバンク(スウェーデン国立銀行)が、CBDC(中央銀行デジタル通貨)の「e-krona(イークローナ)」について、アクセンチュアと提携してパイロット版の試用プロジェクトを実施することを発表した。

実験の目的としては、ブロックチェーンによるDLT(分散型台帳技術)に基づき、隔離されたテスト環境の中で e-kronaが一般消費者にとってシンプルで使いやすく、セキュリティとパフォーマンスに優れたものにすることである。

テスト環境では、シミュレートされたユーザーはデジタルウォレットにe-kronorを保持し、モバイルアプリを介して支払い、入金、引き出しを行うことができる。また、スマートウォッチやカードなどのウェアラブル端末を介して支払いを行うことも可能だ。パイロット版の試用プロジェクトは2021年2月末まで実行され、技術ソリューションを拡張し、さらに開発を進める見込みだ。

実験では一般市民や銀行などが参加した場合をシミュレートして技術ソリューションの評価を行う。テスト運用は1年間行われる予定だが、プロジェクトは最大で6年間延長することができる。

スウェーデンにおけるe-krona開発の背景

スウェーデンにおける通貨流通高の対名目GDP比は、1950年代後半以降一貫して低下傾向が続き、2008年以降は急速に減少した。また、リクスバンクの調査によると、スウェーデンにおいて決済時に用いられる支払手段も変化しており、直近の支払いにおいて現金を使用した人の割合は2010年には39%であったが、その割合は年々低下し、2018年には13%にまで減少している。

一方でクレジットカードや、スウェーデン国内主要銀行の協力関係により開発された「Swish」と呼ばれるモバイル決済アプリの普及など、キャッシュレス化が急速に進んでいった。

リクスバンクは、現在のところe-kronaの開発・研究については初期段階で、その発行についても正式には決定しておらず、パイロット版運用の主な目的としてはあくまでCBDCに関する知識を深めるためだとしているが、今後の動向にも注目したい。