英シンクタンクOMFIFがデジタル通貨研究所を設立、CBDCに関する調査・研究

英シンクタンクOMFIFがデジタル通貨研究所を設立、CBDCに関する調査・研究

英シンクタンクOMFIFがデジタル通貨研究所を設立、CBDCに関する調査・研究

英の独立系金融シンクタンク「OMFIF(公的通貨金融機関フォーラム:Official Monetary and Financial Institutions Forum)」が、「DMI(デジタル通貨研究所:Digital Monetary Institute)」の設立を発表した。

研究は主に卸売りおよび小売り市場における決済手段についてとされ、CBDC(中央銀行デジタル通貨)を特に重要な項目としてあげており、CBDCを発行する上での、金融機関への信頼に関するOMFIFの研究に基づいた調査などが行われる。

DMI設立の背景

OMFIFの最近の研究とオフレコ会議では、CBDC、ブロックチェーン、分散型台帳技術が社会と金融サービスをどのように変える可能性があるかについての議論が中心となっている。

中央銀行、商業銀行、その他の決済プロバイダーがデジタル決済の導入などテクノロジーによる変革を検討している中で、現金が相対的な利便性を失っていることが明らかであるにも関わらず、特に民間機関からのデジタル通貨の導入について、先進国市場には無関心と反感さえが見られるという。

こうした問題を解決するため、国家と民間の両方のエージェントとなり、デジタル通貨に関する有益な情報交換の元、相互の信頼を深めていくことを目指しているとのこと。

ヨーロッパでのCBDC導入への動き

ヨーロッパにおいては、オランダの中央銀行であるオランダ銀行(DNB)が、CBDCの開発に強い意欲を見せている他、今月20日にはフランスの中央銀行であるフランス銀行が、デジタルユーロの試用テスト成功を発表した。また、スウェーデンの中央銀行であるリクスバンク(スウェーデン国立銀行)によるCBDC「e-krona(イークローナ)」のパイロットプロジェクトの実施など、国によっては積極的に開発が進められている。

DMIでは今後OMFIFの社内スペシャリストの専門知識と、公共部門・民間部門のメンバーのグローバルネットワークから引き出された分析や、研究所からの定期的なデータ公開などを通じ、デジタルファイナンスに関する議論を深めていく考えだ。