香港とタイのCBDCプロジェクト、新たにアラブ首長国連邦中銀が参加

香港とタイのCBDCプロジェクト、新たにアラブ首長国連邦中銀が参加

香港とタイのCBDCプロジェクト、新たにアラブ首長国連邦中銀が参加

香港とタイの銀行間でのクロスボーダー決済を目指す中央銀行デジタル通貨(CBDC)プロジェクトに、新たにアラブ首長国連邦中央銀行(CBUAE)が参加することが明らかになった。

m-CBDC Bridge Projectに名称変更

Project Inthanon-LionRock として2019年5月に香港金融管理局(HKMA)タイ銀行(BOT)によって開始されたこのプロジェクトは、両国間のクロスボーダー決済(国境を越えた支払)ネットワークの構築を目的としており、今回新たに中国の中央銀行である中国人民銀行(PBC DCI)アラブ首長国連邦中央銀行(CBUAE)が加わり、「m-CBDC(複数中央銀行デジタル通貨)Bridge Project」の名称で開発が継続されることが発表された。

共同発表によると、HKMAとCBUAEは23日、フィンテックに関する協力を強化するための覚書を交わし、2国の法域間の協力を強化していくとのことだ。

24時間利用可能なクロスボーダー決済を目指す

m-CBDC Bridge Projectでは、Inthanon-LionRockでの研究結果に基づき、CBDCのプロトタイプの開発を通じた概念実証(PoC)により、分散型台帳テクノロジー(DLT)の機能をさらに調査し年中無休で24時間利用可能なリアルタイムでのクロスボーダー決済の基盤構築を促進していく

現在国境を越えた資金の移動を行う場合、非効率性や高コスト、複雑な規制やコンプライアンスなど多くの問題を抱えているが、これらを改善するため、アジア以外の地域を含むより多くの中央銀行が、国境を越えた金融インフラの強化におけるDLTの可能性を共同で研究するための助けとなる環境を拡大すべく開発を進めていく考えだ。

HKMAの最高責任者であるEddie Yue氏は次のように述べている。

「CBUAEは当然私たちのネットワークの貴重なパートナーです。覚書を通じて強化されたコラボレーションから多くの相乗効果が生まれることを期待しており、CBUAEがCBDCプロジェクトに参加して、プロジェクトを充実させ、新しい考えや視点をもたらすことを楽しみにしています。」

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