フランス中銀、CBDCの実験結果に関するレポートを公開
フランスの中央銀行であるフランス銀行が8日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する実験結果に関するレポートを公開した。
クロスボーダー決済の促進など一定の効果に期待
実験は2020年8月から、アクセンチュアやHSBCなどの大手金融を中心とした協力企業と共同で行われたもので、分散型台帳技術(DLT)に基づいたデジタル通貨を用いたクロスボーダー取引や、銀行間決済などにおける有用性について調査されたものだ。
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レポートによると、ブロックチェーンの処理能力や機能などが向上したこともあり、CBDCを用いた銀行間決済により、国境を越えた複数通貨の決済を促進する可能性など一定の効果が認められることを実証したという。
いくつかの懸念点や課題も
実験において、さらに調査が必要とされるいくつかの懸念点や課題も明らかになっており、多数の市場参加者へのCBDCの発行は、金融仲介機関の役割と金融政策の経済への伝達条件に影響を与える可能性があるという。
この点を踏まえた今後の課題について次のように説明している。
「CBDCの発行と配布に使用できるテクノロジーを詳細に評価し、可用性、パフォーマンス、さらにはエネルギー効率の要件を満たすために利用できるオプションを検討することも必要です。」