世界初、エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用へ
エルサルバドルの実業家で現大統領のナジブ・ブケレ氏が5日、ビットコインを自国の法定通貨とする内容の法案を、来週中にも議会に提出すると発表した。
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— Nayib Bukele 🇸🇻 (@nayibbukele) June 5, 2021
ビットコインを法定通貨とする世界初の国家へ
米フロリダ州マイアミ市で6月4日~5日の日程で開催された、史上最大級のビットコインイベント「Bicoin2021」にビデオ出演したブケレ大統領は、来週中にも同法案を提出し、それに先駆け米スタートアップZapが開発する、ライトニングネットワークによる高速決済を可能とする決済システムStrikeとの提携を発表した。
最新の金融インフラ構築により国際送金を容易に
2001年のドル化政策以降、米ドルを自国の法定通貨として流通させているエルサルバドルだが、法案が議会で可決されれば、世界で初となる暗号資産(仮想通貨)を法定通貨として採用する国家となる。
ビットコインを法定通貨とする背景として、国内に新興技術を活用した最新の金融インフラを構築する他、銀行口座やクレジットカードを持たない、国内外に居住する多くの自国民の国際送金を容易にする狙いがあるという。
これについてブケレ大統領は次のように述べている。
「短期的には、これにより雇用が創出され、正式な経済圏外の何千人もの人々に金融包摂がもたらされるだろう。」
法案が可決された場合、エルサルバドルでは法定通貨として米ドルとビットコインを並行して採用することになるが、ビットコインを法定通貨として扱う国の出現により、ビットコインを含む暗号資産の法的な位置づけ等について、各国にも大きな影響を及ぼすことが予想される。