欧州中央銀行、デジタルユーロ導入に向けた公開協議を終了
欧州中央銀行(ECB)が13日、昨年10月から開始されたデジタルユーロに関する公開協議を終了したことを発表した。
オンライン調査で8,000を超える回答
ECBによると、デジタルユーロに関するユーロシステムレポートの発表に続いて、2020年10月12日に開始された、ECB公開協議の記録であるデジタルユーロに関するオンラインアンケートについて、8,221の市民、企業、業界団体から回答が寄せられた。
回答の中で特に関心が高かったものとして、プライバシーに関するもの(41%)、セキュリティに関するもの(17%)、ユーロ圏全体での適用について(10%)があげられている。
ECBの理事会メンバーであり、デジタルユーロに関するタスクフォースの議長Fabio Panetta氏は次のように述べている。
「市民、企業、およびすべての利害関係者の意見は、デジタルユーロが最も役立つ可能性のあるユースケースを評価する際に、私たちにとって最も重要です。」
今春にもデジタルユーロ導入の可否を決定か
ECBとユーロ圏の19の中央銀行の専門家を集めたユーロシステムタスクフォースは、デジタルユーロの発行を必要とする要素として、ユーロ圏での電子決済の需要の増加や、決済手段としての現金の使用の大幅な減少、また、対外的な要因として、他の中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)の流通の懸念などをあげている。
一方でデジタルユーロは補完的な役割を果たすもので、現金に代わるものには成りえず、ユーロシステムは現金を発行し続けると付け加えている。
ECBは今後公開協議の結果を詳細に分析し、その結果をもとにデジタルユーロプロジェクト開始の可否を今春に発表する予定だ。