スイス最大のeコマース企業「Galaxus」デジタルスイスフランでの決済導入へ
スイス最大のオンラインショッピングサイトGalaxus(ギャラクサス)は、スイスのデジタル資産銀行Sygnum Bank(シグナムバンク)が発行するステーブルコインデジタルスイスフラン(DCHF/Sygnum Digital Swiss Franc)を使用した決済の導入に向けたeコマースにおける決済テストに成功したことが分かった。
📣Announcement: @coinify & @Galaxus enable world’s first e-commerce payment using Sygnum Bank #DCHF stablecoin. The Sygnum Digital Swiss Franc (DCHF), pegged 1:1 with the Swiss Franc, eliminates the need for card systems, reduces costs & fraud, & processes real-time transactions.
— Sygnum Bank (@sygnumofficial) August 27, 2020
27日のSygnumの発表によるとこのeコマースの決済テストは、デンマークのコペンハーゲンを拠点とするデジタル通貨プラットフォームプロバイダーCoinify(コイニファイ)の協力によって実現したという。
消費者とeコマース企業間の直接接続を築く
現在全世界で年間3.53兆米ドルに達するeコマース売上高は、2022年には6.54兆米ドルに成長すると予測されている。
Sygnumは、この巨大なeコマース市場にデジタルスイスフラン(DCHF)での決済を導入することでeコマース業界に革命をもたらす可能性を秘めているという。
従来の決済システムでは、決済サービスプロバイダーやカード会社のシステムなどを通過する複数のプロセスがあるため、詐欺の機会を提供するうえ、手数料などの支払いコストもバカにならない。
一方スイスフランと1:1であるSygnumのデジタルスイスフラン(DCHF)をeコマース決済に使用する場合、仲介者はなく、リアルタイムで安定した価格で決済が可能となるほか、カードシステムが不要になり、詐欺の減少にも繋がるという。
また、顧客の購入体験を簡素化および高速化することで、オンライン小売業者のコストを削減する。
これにより、“デジタルエコノミーと従来のエコノミーの間のこのシームレスな接続は、eコマース業界に革命をもたらし、消費者とオンライン小売業者の間の直接接続を築く可能性を秘めている”と説明する。
GalaxusのCFOであるThomas Fugmannは次のようにコメントしている。
「スイスとリヒテンシュタインのお客様がDCHFのような安定したデジタル通貨でオンラインストアで支払いを行えるようにすると、顧客の利便性がさらに高まります」
「Sygnumは規制対象の銀行であるため、監査を受けていないステーブルコイン発行者とは異なり、安全に取引、支払い、即時配信できる革新的なトークン化ソリューションを促進します。」
Sygnumは昨年8月、世界初のデジタル資産銀行としてスイスの銀行および証券ディーラー、ならびにシンガポールでの資本市場サービスのライセンスを取得している。
機関投資家、民間資格を持つ投資家、企業、銀行、その他の金融機関がデジタル資産経済に信頼して投資できる、スケーラブルで将来性のある規制銀行ソリューションを備えた初のデジタル資産銀行だ。
デジタルスイスフラン(DCHF)は、今年3月より同銀行が発行している。