オーストラリア準備銀行、中央銀行デジタル通貨(CBDC)研究のためConsenSysなどと提携を発表!
2日、オーストラリア・ドルのポリマー紙幣唯一の発券銀行であるオーストラリア連邦の中央銀行であるオーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia、略称:RBA)は、CBDC(中央銀行デジタル通貨)調査プロジェクトのため、オーストラリア証券取引所(ASX.PPT)に上場している企業のなかで時価総額ベース最大の金融機関であるオーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)、オーストラリアの他ニュージーランドやイギリスなどで展開しているナショナルオーストラリア銀行(NAB)、1886年設立の金融サービス会社であるPerpetual(本社・シドニー)、ブロックチェーンソフトウェアテクノロジー企業のConsenSys(本社・米ニューヨーク州ブルックリン)との提携を発表した。
イーサリアムベースのトークン形式中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行への概念実証へ
今回の提携による共同プロジェクトには、潜在的な中央デジタル通貨(CBDC)の用途を調査するために立ち上げられた。
少し深掘りすると、プロジェクト内容にはイーサリアムベースのブロックチェーン技術を使用したトークン形式の中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行するための概念実証(POC)の開発も含まれる。
分散型元帳テクノロジー(DLT)プラットフォームを用い 、トークン化されたCBDCと金融資産の他の潜在的なプログラマビリティと自動化機能を調査することも明らかになった。
オーストラリア、中央銀行デジタル通貨(CBDC)導入への大きな1歩を踏み出した背景
今回の共同プロジェクトについて、
“このプロジェクトでは、ホールセール金融市場取引における効率性、リスク管理、イノベーションに対するCBDCの影響を図る調査を目指しています。これらの市場でのCBDCの使用の事例は未解決の問題ですが、オーストラリアの決済システムにおける卸売CBDCの将来の役割があるかどうかを調査するために、業界パートナーと協力できることを嬉しく思います”
と金融システム・知事アシスタントMichele Bullock氏は述べた。
なお今回のプロジェクトは2020年末頃に完了する予定であり、2021年前半にプロジェクトとその主な調査結果に関するレポートを公開する予定であることも明らかになった。
国際的な注目が集まる中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行準備への階段を上り始めたオーストラリア。多くの企業やお店でクレジットカードでの支払いが可能となっており、現金を使用する機会は著しく減少している。
特にCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響により現金の使用をなるたけ避けようしている背景もある。ここ数年、分散型台帳テクノロジー(DLT)、ブロックチェーン、暗号通貨の出現などの多くの技術開発が進み、経済全体のデジタル化が進んでいる。
金融システム構造と金融の安定性に影響を与える可能性があるため、CBDC導入に対し慎重な国も多い。大きな1歩を踏み出した今後のオーストラリアでの動向を見守りたい。
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