カナダ中銀、コロナ禍でCBDC発行の決定が早まる可能性について言及

カナダ中銀、コロナ禍でCBDC発行の決定が早まる可能性について言及

カナダ中銀、コロナ禍でCBDC発行の決定が早まる可能性について言及

カナダの中央銀行であるカナダ銀行のTimothy Lane副総裁が10日、コロナ禍で様々なデジタル化が加速する中、CBDC(中央銀行デジタル通貨)発行の決定が早まる可能性について言及した。

コロナ禍で需要が高まるデジタル決済

スピーチの中でLane副総裁は、新型コロナウイルスのパンデミックによる影響により、個人または企業のデジタル化が加速しており、決済システムの近代化によるリアルタイムでの支払いの拡大の重要性を強調した。

とりわけ、カナダ銀行が発行の可能性について慎重に検討してきたCBDCについて次のように述べ、導入が早まる可能性を示唆した。

「カナダ銀行は数年間、カナダがデジタル通貨の発行を決定する可能性のある状況を分析してきました。パンデミックは、私たちが予想していたよりも早く決定点に到達する可能性があります。」

また、国境を越えた支払について、コスト面やセキュリティに問題点が多く、差し迫った改善の必要性がある分野であるとし、これについてもデジタル化と並行して、公的および民間部門との協力に全力で取り組んでいく考えだ。

昨年は差し迫ったCBDC導入の必要性はないとの見解

Lane副総裁は昨年2月、カナダにおいて現行の支払いシステムが十分に機能しており、デジタル通貨を導入するにあたっての説得力のある事例は確認できず、現時点で差し迫ってデジタル通貨を導入する必要性はみられないとしていたが、ここ1年間でカナダの社会情勢も大きく変化したことが伺える。

関連:カナダ銀行がCBDCの導入について検討!