ブラジル中銀が、CBDC発行に向けた研究グループを新設
ブラジル中央銀行が、CBDC(中央銀行デジタル通貨)について、最終的な発行における影響を議論するためのワーキンググループの発足を発表した。
同グループでは、デジタル通貨発行モデルの提案をはじめ、サイバーセキュリティやデータ保護、規制の順守やCBDCによる金融の安定性に対する影響など様々な分析が行われる。
グループ発足の背景
CBDC導入の背景については、技術の発展に伴い、ブラジル国内での決裁システムのデジタル化が急増するなど、オンライン決済ソリューションの需要が高まっていることや、紙幣と硬貨の発行・流通・管理にかかる多額のコストの削減があげられている。
これについて、中央銀行の情報技術部門は次のようにコメントしている。
「電子決済は、特にモバイルデバイスと通信技術の進化のおかげで、近年増加しています。しかし、私たちのお金は紙と金属のサークルで具体化されたままであり、市民がアクセスできるお金のデジタル表現はまだありません。したがって、中央銀行が発行するデジタル通貨は、ブラジル人が完全に電子的な方法で彼らのお金と相互作用することを可能にするでしょう。」
WhatsAppのモバイル決済停止命令
国内のオンライン決済需要の高まりについて認識しているブラジル中央銀行だが、6月15日にサービス提供を開始した、Facebook社が運営するメッセンジャーアプリWhatsAppのモバイル決裁について、これを一時停止するようカード会社に命じていた。
中央銀行の声明によると、安全性や透明性などの運用上の問題や、適切な競争環境維持を理由としてあげている。