フランス金融当局、暗号資産規制の見直しを提案
フランスの金融規制当局である金融市場庁(AMF)のRobert Ophèle長官が、第5回となるフィンテック及び規制に関する会議にて、急成長する暗号資産(仮想通貨)市場の規制について、欧州全体で見直すべきとの見解を発表した。
コロナ禍で非接触型決済が爆発的に増加
「デジタルアクセラレーションの時代における規制上の考慮事項」について議論が行われた本会議にて、増加傾向にあった非接触型決済が、eコマースの発展やコロナ禍の影響で爆発的に増加しており、特に昨今成長著しいブロックチェーンベースの金融商品について、欧州全体で規制の方針を見直すべきであるとOphèle長官は提案した。
その中で、データ、アルゴリズム、AI、ソーシャルメディアの組み合わせや、今後の分散型元帳テクノロジー(DLT)への依存による金融市場の再構成について重要視しており、信頼できるデータへのシンプルで公正なアクセスを確保する必要があると説明している。
「断片化されていない方法で信頼できるデータへの公正なアクセスを提供することは、情報の非対称性を減らし、市場参加者の範囲を拡大し、効果的な価格形成メカニズムを強化します。」
ESMAが欧州全体を管轄
Ophèle長官は、暗号資産市場への参入コストは非常に高く、同じ機関内にすべての専門知識を集めることが望ましいとし、暗号資産サービスプロバイダーの監督を含む、この新しい分野での欧州全体の規制当局として、欧州証券市場監督局(ESMA)が適切であると提案した。
ただし、ブロックチェーンなどの新しいテクノロジーについて、規制を厳しくし過ぎると、革新的なプロジェクトがヨーロッパを離れ、EU外でプロジェクトを開発してしまう可能性についても付け加え、特定のビジネスモデルを禁止せず、技術的中立の原則を尊重することを強調した。