日銀新体制の元、中央銀行デジタル通貨(CBDC)導入へ一歩前進か

日銀新体制の元、中央銀行デジタル通貨(CBDC)導入へ一歩前進か

日銀新体制の元、中央銀行デジタル通貨(CBDC)導入へ一歩前進か

日本銀行が31日、神山一成調査統計局長を決済機構局長に任命したことを発表したと、ブルームバーグが報じた。

決済機構局には20日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の利用をはじめとし、決済システム全体のデジタル化や近代化などについて検討するための「デジタル通貨グループ」が新設されており、新体制の元CBDC導入に向けてさらに一歩前進するものと思われる。

デジタル通貨の調査・研究を主導

今回局長に任命された神山氏は、CBDCに関して他の中央銀行と共同研究を行い、仮想通貨(暗号資産)の存在が中央銀行にどのように影響するかなどの調査に携わっている。また、中央銀行が新型コロナウイルスのパンデミックの中で経済に与える影響の変化をリアルタイムで分析するため、より多くのビッグデータを使用する手法を取り入れるなど、日銀のトップエコノミストとして研究、調査を主導している。

日銀主催のフォーラムで経済のデジタル化について言及

7月30日、日銀が「決済の未来フォーラム デジタル通貨分科会:ポストコロナのデジタル決済」を開催しており、その中で内田眞一理事が、「ポストコロナの経済の姿はどうなるのか」という議論に触れ、コロナ前から進んでいたデジタル化の動きを、不可逆的に加速させる可能性があると言及。

また、オンライン決済について、「誰でも」使えるユニバーサルアクセスの問題、「安心して」使えるセキュリティの堅牢性課題などをあげ、CBDC導入について現時点では計画されていないが、将来的に対応するための準備の必要性や、新設されたデジタル通貨グループを通じ、決済システム全体のデジタル化やCBDC導入にあたっての相関する課題について、ギアをあげて準備、検討を進めていくと説明した。