仮想通貨取引所Bitfinexが、データストリーミング用P2Pプロトコルをリリース
香港に拠点を置く大手仮想通貨(暗号資産)取引所Bitfinexが、中央サーバに依存することなくユーザーがメディアを共有するためのオープンソースのデータストリーミング用P2Pプロトコル「Dazaar」のリリースを発表した。
開発の背景
インターネットユーザーにより、日々生成されている約25兆バイトともいわれる情報データのほとんどは、検索エンジン、ソーシャルメディア、メッセージングアプリなどの集中型プラットフォームで作成され、受信リクエストの維持と処理を中央サーバに大きく依存している。
そのため、P2Pネットワークを利用した分散システムにより、中央サーバに依存せずに情報を簡単に共有およびアクセスする機能を含め、データを制御する能力を取り戻すことを目的として開発が行われた。
P2Pによりデータ共有を分散化
Dazaarは、すべてのユーザーがアクセスできるようにすることで情報共有が強化されるよう構築されており、無償で利用することが可能なMIT LicenseのHypercore Protocolの拡張機能として開発された。
他のデータ共有ネットワークとの差別化としては、既存のプロジェクトに実装できるP2Pネットワークの準備を整える、ハイパースケーラブルで分散化されたプライバシー指向の基本プロトコルの提供に重点を置いていることとしている。
注目すべき点として、ユーザーが中央サーバなどの仲介なしにデータを収益化することの重要性に焦点を当てており、Dazaarを利用してレイヤーを統合し、任意の暗号通貨などによる時間ベースのマイクロペイメントが可能となっている。
仲介なしでライブストリーミングを収益化
一例として、今回同時に発表されたライブビデオストリーミングデスクトップアプリケーションであるDazaar Visionを利用することで、サインアップを必要とせずに、ライブブロードキャストとサブスクリプションをすべてP2Pでリアルタイムにセットアップすることができる。
既存のライブストリーミングプラットフォームにおいても、サブスクライブ、ポイント、投げ銭システムなどを導入しているものが多く見られるが、Dazaar Visionでは、ユーザーが仲介手数料を取られずに簡単に収益化することが可能となる。
Bitfinexは、Dazaarの提供を通じて「人々が使用して最大限に活用するための革新的な製品を構築することにより、コミュニティに還元できるようにしたい」と述べている。