仮想通貨Tezosは、日本の仮想通貨取引所では、どこも扱っていない為、知らない方も多いと思います。
しかし、ICOで232億円の資金調達に成功したビッグプロジェクトとして、Tezosの名前は一気に世界に知れ渡りました。
その後、チームの内紛などにより、悪い影響やイメージがつきましたが、現在ではプロジェクトも順調に進み再度注目されています。
この記事では、Tezos(テゾス/XTZ)の詳細や特徴・将来性について紹介していきます。
XTZの最新価格・相場・チャート・評価
テゾス(Tezos/XTZ)とは
テゾスは、2014年に始まったプロジェクトで分散型アプリケーション(DApps)のプラットフォームです。テゾスはプラットフォームの名前であり、通貨単位は「XTZ」と表します。
テゾスのプラットフォームの目的は、ビットコインやイーサリアム等の既存の分散型システムの弱点を克服する為のものだとされていて、スケーラビリティの問題やハードフォークによる分裂の問題を考慮された仕組みを持っています。
また、テゾスはイーサリアムと比較される事があります。
どちらもスマートコントラクト機能を持ち合わせ、分散型アプリ(DApps)のプラットフォームという点が理由でしょう。
テゾスの運営側にはゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー等の金融大手出身者が在籍し、技術的にも人材的にも高水準であった事から、多くの投資家が関心を寄せていました。
そのことから、2017年7月のICOには232億円もの資金を調達したことで話題となりました。その後は米証券取引委員会SECからの指摘や内紛によりプロジェクト進行が遅延した事もあり、色々な事で注目を浴びた仮想通貨です。
テゾス(Tezos/XTZ)の詳細
通貨単位 XTZ
運営主体 Tezos Foundation
総発行量 763,306,930XTZ
承認方式 PoS(Proof of Stake)
公開日 2017年7月1日
テゾス(Tezos/XTZ)の特徴
トークン所有者がプロトコル管理
仮想通貨は、基本的には非中央集権的な存在です。しかし、中央集権的なノードが存在している事は事実で、ビットコインなど多くの仮想通貨は実質、中央集権的です。
テゾスでは、完全な非中央集権的な通貨を目的とし、プラットフォームの統治、改善や修正などの決定権などのプロトコル管理にトークン所有者が参加できるようになっています。
これにより、一部の資産家や特定の企業に集中しないように分散化されています。
システムの改善や修正の際には「Futrachy」と呼ばれる、民主的な投票によってプロトコルの改善・修正を行っています。
コンセンサスアルゴリズム「PoS」採用
テゾスのコンセンサスアルゴリズムは「PoS(Proof of Stake)」が採用されています。
PoSは、ビットコイン等が採用しているPoWとは異なり、大きな資金力のある企業にマイニング報酬が独占されたり、計算の為に莫大な電力が必要とういう問題はありません。
利用者はコインの所有量に比例した票を獲得し、それらの投票によってブロック生成者が決定します。
また、投票者は投票の権利を代理委託(delegated)する事も可能です。代理人は委託者の意思とは関係なく、自分の意思でブロック生成者に投票するという選択肢もあります。つまり、間接民主制のようなものです。
投票者または委託者は、信頼を得られない投票をするとその地位から外される為、不正は行われずにブロックを生成するというインセンティブが働きます。
スマートコントラクトの実証機能
テゾスには、「Formal Verifcation」と呼ばれるスマートコントラクトの内容の実証機能があります。
この「Formal Verification」はスマートコントラクトが正常に行われているか数学的に解説して証明するもので、エラーが許されない契約などにおいては、通常のスマートコントラクトよりも証明による確実性が優れているといえます。
ハードフォークせずにアップデートが可能
テゾスでは、アップデート時に新旧のシステムに互換性があるため、ハードフォークのリスクがありません。
ビットコインやイーサリアム等は、度々ハードフォークを起こし、ビットコインキャッシュやイーサリアムクラシック等が誕生しています。
どうしてもハードフォークする事により、コミュニティの分裂が起き、技術力や軍資力が分散され通貨に対する信用を落とす事となったり、一時的に取引所が利用停止と流動性にも影響を与えてしまいます。
テゾスは、このようなハードフォークへのリスクが無い為、通貨の価値が保たれやすく、ビットコインやイーサリアム等のハードフォークの問題を解決している通貨であり、プラットフォームだと言えます。
テゾス(Tezos/XTZ)の将来性
前述致しましたが、テゾスは、ICOにて巨額の資金調達後、創設者と財団の内紛でプロジェクト自体の進行が大幅に遅れてしまった等の黒歴史もありますが、2018年9月にはメインネットを発表し、本格的な運用が開始されたことで、徐々に投資家からの信頼が回復していくことが予想されます。
元々は高い技術や優秀な人材があることから、その期待値も高く、テゾスのプラットフォームもビットコインやイーサリアムの問題点を改善したプラットフォームとして誕生した為、今後も、ビットコインやイーサリアムにスケーラビリティの問題やハードフォークの問題が生じる度に、テゾスの話題が挙がり、注目を浴びることになるでしょう。
プラットフォームとしての仕組みはとても魅力的で期待されているので、今後、順調に開発が進むことにより、テゾスの地位がどうのように確立していくのかも見所です。