ビットコインをはじめとした他の仮想通貨は、ボラティリティ(価格変動)が大きく、トレードで大きな利益が得やすくなる特徴があります。
その反面、ボラティリティが大きいが故に資産価値や実用性という面では扱いにくいという短所を持ち合わせています。
そこで注目集めているのが、「ステーブルコイン」または「ペグ通貨」というものがあります。Stableとは日本語で安定と意味があり、法定通貨などの資産に裏付けらている為、価格変動が起こりにくく安定しているコインを指します。
ステーブルコインで有名な仮想通貨は「Tether/USDT」がありますが、Tetherとも違った特徴をもち、2018年9月に新たに誕生したのが「USD COIN/USDC」であります。
誕生して間もないですが、注目度が高く現在、時価総額ランキング19位に位置づけています(2019年1月時点)
この記事では、そのUSD COINの詳細や特徴・将来性をご紹介していきます。
USDCの最新価格・相場・チャート・評価
USD COIN(ユーエスディー・コイン/USDC)とは?
USD COINとは、アメリカのボストンに拠点を置く仮想通貨送金業社「Circle(サークル)社」によって価値が担保されているペグ通貨であります。略号は「USDC」と呼びます。
USD COINは、米国の送金法に準じている透明性の高いUSドルペグ通貨で、開発には「CENTER」と呼ばれるプロトコルが使用されいます。
USDCは、USドルをペグしたものである為、「1USドル=1USDC」となり理論上ではUSドルの価格変位と連動しています。またUSDCと他の仮想通貨の取引ペアを作る事で、仮想通貨間の取引が可能になります。
なんと言ってもUSD COINが注目を浴びている大きな理由に「Circle社」の存在は欠かせません。
まずは「Circle社」の詳細から紹介していきます。
Circle(サークル)社とは
Circle社とは2013年に設立され、アメリカのボストンに拠点を置く仮想通貨送金業社です。
「NYDFS(ニューヨーク州金融サービス局)」が発行する仮想通貨事業の免許「BitLicense」を取得しており、米国の法律下で仮想通貨事業を行っています。このBitLicenseはかなり厳しいハードルをクリアした少数の企業しか選ばれていないことから、サークル社の信用が高い事が伺えます。
そして、出資企業には米大手の投資銀行ゴールドマン・サックスや中国大手インターネット検索企業の百度や大手マイニング企業のビットメインのサポートも受けており、2018年2月には仮想通貨取引所Poloniexを約430億円で買収しています。
サークル社は700万人以上のユーザーを保有し
「サークル・ペイ」:チャット付きの法定通貨送金サービス
「サークル・トレード」:マーケットメイキングを通して仮想通貨の流動性を提供するサービス
「サークルインベスト」:個人投資家向けの仮想通貨取引アプリ
なども提供していて、この700万人の会員サービスもUSDCに展開予定です。また、サークル社のスローガンに「あらゆる資産(不動産、証券、株式、著作権など)と呼べるものをトークン化し、トークンエコノミーを実現しよう」とし、法律下で合法的に仮想通貨の市場拡大を目指しています。
そしてサークル社と2000万人以上のユーザーを持つ取引所CoinBaseがタッグを組み、このUSDCを発行していることにも、大きな注目を浴び話題になりました。
厳密には、「CENTER(センター)」というプロジェクトを立ち上げ、そのプロジェクト内で「USDC」が発行されています。
USD COIN(ユーエスディー・コイン/USDC)の詳細
通貨単位 USDC
発行主体 CENTER
トークン規格 ERC-20
公開日 2018年9月
USD COIN(ユーエスディー・コイン/USDC)の特徴
米法律下で米ドルと連携したステーブルコイン
前述した通り、USD COINは、米ドルと価格が連動し裏付けられているステーブルコインです。
米ドルとペグされている事から、他の仮想通貨のように一日で価値が10倍以上になったり、下がったりといった事は事実上あり得なくなります。
また、ハードルの高いライセンス「BitLicense」を取得している事から、低いリスクで信頼性の高い通貨を運用したい投資家の参入へ繋がっているといえます。
そして、ビットコインなどの通貨を保有している時に、通貨が一時的に暴落する兆候がでた場合、一度法定通貨へ戻そうと考えますが、その際には「海外取引所→国内取引所→自身の口座」といった2回取引所を経由する必要が出てきます。
そのたびに、手間や手数料がかかってしまいます。
そこで、法定通貨に裏付けられているステーブルコインのUSDCは価格安定しているので、一時的にUSDCと交換するという退避先にもなり得るのです。
世界大手会計事務所「Grant Thornton」にて定期監査
ステーブルコインとして先行して知名度が高く時価総額ランキング上位に君臨する「Tether/USDT」は担保積立金で疑惑があり「テザー疑惑」という問題があります。
そこで、USDCではユーザーに向けて透明性を高めようと、USDCは担保にしているUSドル積立金について、世界大手会計事務所である「Grant Thornton」が定期的に監査することになっています。
ちなみにレポートについては、毎月「CENTER」で公開されています。このようにしっかりと外部監査を行われ、公表される事により取引増加が見込まれている理由となっています。
トークン規格「ERC-20」採用
USD COINはイーサリアムベースでトークン規格はERC-20を採用してます。
同じステーブルコインのTetherはビットコインベースの為、USD COINの方が決済速度では優れています。また、ERC-20にはスマートコントラクトの技術が導入されている為、取引の際には高い安全性があると言えます。
ERC-20で作られている仮想通貨は、全てマイイーサウォレットが利用でき一括管理が出来る為、統一性にも優れています。
USD COIN(ユーエスディー・コイン/USDC)の将来性
USD COINは、米国送金法に則っている点やゴールドマン・サックスや百度などの大手企業からのサポート受けている点など、高い信頼性があります。
ステーブルコインとして知名度の高いTetherに対しても、トークン規格の違いによる汎用性の高さや、積立金の定期監査による透明・安全性などといった差別化をはかっていますが、今後Tetherの抱える「テザー疑惑」の払拭する時間とUSD COINがさらなる発展に要する時間などにより、ステーブルコイン同士の信用獲得競争の結果がどうなるのか、要注目です。
Tetherの特徴や「テザー疑惑」の真相はこちらを参考にしてください。