現在、2000種類以上も存在する仮想通貨のすべてに独自の機能や特徴があります。
例えば、決済特化型やスマートコントラクト型、プラットフォーム型、匿名通貨型、ペグ通貨型、取引所型などさまざまありますが、ある程度大きく分けるとこの分類に収まります。
しかし、Makerは上記の特徴とは異なり、「他の仮想通貨に対する信頼性などを総合的に支援する」ことを目的としています。
あえて言うなら「支援型」という分類になり、縁の下の力持ち的な存在の仮想通貨です。
この記事では、そのMakerの詳細や特徴・将来性などを紹介していきます。
MKRの最新価格・相場・チャート・評価
メイカー(Maker/MKR)とは
メイカーは2017年に公開された、イーサリアム上に存在する分散型プラットフォームです。略号は「MKR」と表します。
メイカーの目的は、他の通貨に対する信頼性を総合的に支援する事です。
現在(2019.1時点)では、米ドル等の法定通貨と価値が連動するペグ通貨「Dai」の信頼性や価値の証明・価格調整などの役割を担っています。
そもそもペグ通貨とは
従来のビットコインなどの仮想通貨は、決済や価値の保存、または投機的な点からボラティリティ(価格変動)が大きく、決して価値が安定しているとは言いにくいです。
そのような問題を解消する為に、米ドル等の法定通貨と価値が連動し、通貨の価値を安定させる事ができる「ペグ通貨/ステーブルコイン」があります。
関係性は、ほぼ「ペグ通貨:法定通貨=1:1」で基軸通貨として安定した取引が可能といえます。
また仮想通貨のペグ通貨としては、「Tether/USDT」などが有名で、他にもまだ認知度は低いですが存在します。その中の一つに法定通貨米ドルと裏付けられている「Dai」があります。
メイカー(Maker/MKR)の詳細
通貨単位 MKR
運営主体 無
総発行量 1,000,000MKR
公開日時 2017年11月25日
メイカー(Maker/MKR)の特徴
独自のスマートコントラクト「CDP」
メイカーは、独自のスマートコントラクトシステムの「CDP(Collatelized Dept Position)があります。
「CDP」を活用し、メイカーのプラットフォーム上に担保資産としてETHを預けると、Daiが発行できます。そして、プラットフォームに担保資産を預けると、自動ロックされ預けた担保にはアクセス出来なくなり、払い戻ししないと解除・引き出しができないような仕組みになっています。
その発行の際や引き出しの際には利用手数料として「MKR」が必要とされます。
現段階では担保資産としてETHを使用していますが、今後様々な通貨に対応予定で「Omisego/OMG」などが挙がっています。
自動レート調整システム「TRFM」
メイカーは、目標レートフィードバックメカニズム「TRFM(Target Rate Feedback Mechanism)という機能を実装しています。
この機能が動作する事により、Daiの価値を常に米ドルと同様の価値に保つ事ができ、仮想通貨の実用性の懸念点である価値の流動性を最小限に抑えること出来ます。
つまり、メイカーはTRFMを機能させ、市場情報から法定通貨の価値設定を行う事で、米ドルの法定通貨の価値とDaiの価値の間に乖離が生まれてしまうリスクを低減する役割をもったシステムといえます。
ガバナンストークンとしての役割
※カバナンストークンとは、開発の方向性を決める仕組みが備わっているトークンの事を指します。
メイカーはDaiを支えるガバナンストークンとして様々な役割があります。
MKRの所有者には、Daiのシステムに対する提案や採用やリスク管理、辞退するなど、様々なDaiのシステムに関する決定の投票権を得ることができます。
多数決と同様に、多くの票を集めることができた提案「top proposal」になり、その後のシステムに採用される仕組みになっており、より現状に即した機能を実装する事ができるようになっています。
メイカー(Maker/MKR)の将来性
メイカーの将来性は現段階では、仮想通貨Daiの需要次第と言っても過言ではありません。
現状、仮想通貨は投機目的として扱われがちな事から、ボラティリティの高さが問題視されています。そこでペグ通貨の法定通貨との裏付けによる安定した価値に注目がいく中で、さらにそのペグ通貨をサポート・支援し、よりボラティリティを最小化する役割を担うメイカーが、他の仮想通貨と提携が増加すると仮想通貨市場が盛り上がっていく可能性があると言えます。
また、現段階で東南アジアで非常に支持を得ている仮想通貨OmiseGoとシステム提携も決定しているので、Daiだけではなく、OmiseGoの信頼性も総合的に支援する事できれば、さらにメイカーの注目が集まってくのではないでしょうか?