イーサリアムは、ビットコインとは違う魅力を持ち合わせた仮想通貨の一つで、時価総額ランキング3位に君臨しています。(2018年12月時点)
イーサリアムは、ユーザーが利用する機能を直接提供するのではなく、開発者が好きな機能を実装できるプラットフォームです。
イーサリアムが誕生してから、いわゆるプラットフォーム系の仮想通貨が次々と誕生してきました。
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イーサリアム(Ethereum/ETH)とは?
イーサリアム(Ethereum)とは、スマートコントラクト(自動電子契約)やDApps(ダップス/分散型アプリケーション)を構築出来るプラットフォームのことです。
そのプラットフォーム内で使用される基軸通貨にETH(イーサ)が使われています。
ビットコインと同じく非中央集権でコンセンサスアルゴリズムはPoWを採用していますが、ビットコインは基本、決済を目的しており、イーサリアムはDAppsを構築するプラットフォームを目的として作られたという違いがあります。
※イーサリアムは、今後PoWからPoSに移行予定。
1.イーサリアムの誕生・ロードマップ
1-1 イーサリアムの誕生
イーサリアムの発明者はヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)
1994年にロシアのモスクワ州に生まれたヴィタリック・ブテリン。小学3年生の時には数学、経済学、プログラミングを学び、同級生のなかでも飛び抜けた能力を発揮していました。ビットコインと初めて出会ったのは、17歳で父の影響でビットコインに関する記事を書くアルバイトを始めていました。その報酬はビットコインでした。18歳の時には大学に進み、ビットコインに関するプロジェクトにも参加していました。
そして、19歳という若さでイーサリアムの核となる「あらゆる目的に使えるブロックチェーンのプラットフォームを作る」というアイデアが生まれました。
2013年11月 イーサリアム ホワイトペーパーが発表。
2014年7月 イーサリアムのICOが実施。
1-2 イーサリアム ロードマップ
イーサリアムは未だ未完成のプロジェクトであり、4つの段階のアップデートをする事により、完成を目指している。
2015年7~8月 「フロンティア(Frontier)」 アップデート①
2016年3月 「ホームステッド(Homestead)」アップデート②
2017年10~ 「メトロポリス(Metropolis)」アップデート③
・メトロポリスは二つの段階に分かれていて、一つ目の「ビザンティム(Byzantium)」は実施されています。二つ目の「コンスタンティノープル(Constantinnople)」は2019年2月実施完了しました。
イーサリアム最後のアップデート「セレニティ(Serenity)」では、コンセンサスアルゴリズムPoW(Proof of work)からPoS(proof of Stake)への移行を果たす予定です。
イーサリアム(Ethereum/ETH)の詳細
通貨単位 ETH
運営主体 イーサリアム財団
総発行量 上限なし
承認方式 PoW → PoSに移行予定
イーサリアム(Ethereum/ETH)の特徴
スマートコントラクトについて
スマートコントラクトとは、「ブッロクチェーン上で自動的に契約が実行される仕組み」です。
改ざんが事実上不可能なブロックチェーン上に契約内容や取引の条件などを記録しておく事で、条件が整うと、自動的に契約が実行される。その契約は当然信頼できるものといえます。
スマートコントラクトでよく挙げられる例えが「自動販売機」です。
お金を入れてボタンを押す(契約)と自動的に飲み物(所有権)が出てくる
つまり、電子的ではないが、自動販売機もれっきとしたスマートコントラクトなのです。
これがイーサリアムの大きな特徴の一つです。
スマートコントラクトが世の中に普及すると、仲介業者が不要になり、書類取引等の手間が省け、持ち逃げなどの悪質な行為を防止する事が出来るでしょう。
DApps(分散型アプリケーション)とは?
DAppsとは、分散アプリケーションのことで、ブロックチェーンを利用した中央管理者がいなくても自律して稼働するアプリケーションの事です。
※アプリケーションとはコンピューター上で特定の作業をする為に使用されるソフトウェアの事。
現在あるアプリケーションには中央管理者が存在する為、多くの手数料や管理サーバーが落ちた際には、システム停止が予想されていました。
イーサリアムのDAppsは、スマートコントラクトを利用し、中央管理者がいなく、利用者みんなで管理する為、サーバーダウンや不正がしづらく、自動で機能するため、安全性とリスクの低減が実現できます。
ERC20トークンとは?
ERC20トークンとは、イーサリアムプラットフォーム上で新規にトークンを発行するときに採用される規格に沿って設計された通貨を指します。
また、ERC20対応のウォレットを使用できる為、ERC準拠のトークンは共通したウォレットで異なる名前のトークンをやり取り出来る為、イーサリアムのDAppsではよりみんなが使用しやすくなってるといえます。
Proof of Steke(プルーフ・オブ・ステーク/PoS)について
イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムは、現在ビットコインと同様のProof of Work(PoW)を採用していますが
上記でも記載した通り、後に4つ目のアップデートに
Proof of Stake (PoS)の移行予定があります。
また、Proof of Stakeは非常に多くのアルトコインでも採用されています。
その Proof of Stake の仕組みには2種類存在します。
①コインの保有期間が長い程(Coin Age)、マイニングの成功率が上がる
②ランダムに承認する人を選出し、選出確率は通貨の保有量に比例する。
どちらのパターンもPoWよりも必要な計算を減らす事ができ、電力を低減する事が可能となります。
また、大量のコインを保持してなければならないので、51%攻撃が起こりづらいともいえます。
その一方で 通貨の保有量が多いほど、マイニングに成功しやすくなるので、通貨をため込む人が多くなる事も懸念されます。
そうなると、通貨流動性が損なわれ、致命的な問題も兼ね備えています。
イーサリアム(Ethereum/ETC)の将来性
イーサリアムは、「分散性」を非常に重視しつつ開発を進めているプロジェクトの一つです。
今後、アップデートが予定されているPoSへの移行や、オフチェーンソリューションのPlasmaなども研究していて、これらが実現すると課題となっているスケーラビリティの問題も改善していくと考えられます。すなわちイーサリアムがこのまま衰退していくとは、考えにくいでしょう。
イーサリアムの今後の動きは誰もが注目しています。