14日、米大手先物取引所のCBOE(シカゴオプション取引所)は、2019年3月に提供するビットコインの先物取引を行わず、6月期以降のビットコイン先物取引は一旦終了するという発表をしました。
発表の中で以下のように述べ、仮想通貨取引へのアプローチを再検討していく意向です。
「CBOE先物取引所(CFE)は2019年3月時点において、CBOEビットコイン先物契約(XBT)の追加をしません。CFEはデジタル資産デリバティブへのアプローチを再度検討しています。次のステップを検討している間、追加のXBT契約は取り扱いませんが、現在上場されているXBT先物契約は引き続き取引可能です。」
CBOEがビットコインの先物取引を見送った2つの要因
CBOEがビットコインの先物取引の追加を見送った背景として、2つの要因が挙げられそうです。
1つ目は、ビットコイン市場の低迷が挙げられる。価格が大きく下落したことで世間の注目度も下がり、市場全体の取引量も低下していた。
CBOEがビットコインの先物取引を開始したのは2017年12月で、ビットコインの価格が最高圏の19,000ドルにあった時期です。その後ビットコインの価格は約80%下落し、現在は3850ドルほどで取引されている。
2つ目は、競合他社のCME(シカゴマーカンタイル取引所)が提供するビットコイン先物商品の出来高に追い抜かれた事が要因とも見られている。
紺色:CME(シカゴマーカンタイル取引所) 水色:CBOE(シカゴオプション取引所)
TradeBlockが作成したグラフを見ると、CMEにビットコインの先物取引のシェアを奪われている事がわかる。また、14日発表当日のCMEのビットコイン先物の1日の取引高は、CBOEの2089契約と比較して4666契約と約2倍と報告されている。この発表により、CMEは実質競合が居なくなるこの機会を利用して先物市場のシェアを更に拡大し、独占する計画ではないかと推測されるでしょう。
しかし、今回の発表によるビットコインの価格変動はなく、3900ドル付近で価格推移しており、SNS上での反響も小さなものになっています。
CBOEは今年2月に「VanEck-SolidX Bitcoin ETF」の申請を再提出しており、今後はビットコインETFの認否に注目が集まります。