米プロボクサーメイウェザー氏とDJキャレド氏が詐欺ICOの宣伝していたが不起訴
ボクシング元世界王者フロイド・メイウェザー・Jr氏と音楽プロデューサーのDJキャレド氏は、仮想通貨による資金調達の方法の1つ「ICO(Initial Coin Offering)」を違法に宣伝したとして起訴されていたが、不起訴となった事が5月13日の裁判所の文書で明らかになった。
両者は仮想通貨スタートアップ「セントラテック社」から金銭を受け取ってセントラテック社が発行するCTRトークン宣伝していたが、それを投資家に告知しなかった為、米証券取引委員会(SEC)に起訴されていた。
これは、米証券取引委員会(SEC)が個人に対してICO推進の為の告発を行ったのは今回が初めての事だった。
メイウェザー氏は、3つのICO発行者やセントラテック社からの10万ドルを含む30万ドルを受け取り、キャレド氏は、同じ会社から5万ドルの支払いを受け取っていたが開示する事をしなかったのが起訴された原因となっている。
また、この宣伝方法としてメイウェザー氏は、自身の780万以上のフォロワーを持つTwitterやフェイスブックで数回、CTRトークンを買うよう呼びかけた。また、キャレド氏もインスタグラムに投稿していた。
Centra’s (CTR) ICO starts in a few hours. Get yours before they sell out, I got mine https://t.co/nSiCaZ274l pic.twitter.com/dB6wV0EROJ
— Floyd Mayweather (@FloydMayweather) 2017年9月18日
不起訴となった理由
裁判官のロベルト・スコラ氏によると、「メイウェザー氏が原告に手を差し伸べCTRトークンの購入を原告に要請した事を証明できなかった」と述べた。
さらに「原告がメイウェザーの宣伝用資料を見ただけで、その結果としてセントラテックのCTRトークンを購入したという証拠はない」と述べた。同じ分析がキャレド氏にも当てはまったという。
また、今回の起訴に関係する2人の投資家はメイウェザー氏が同ICO案件を宣伝する前にCTRトークンを購入していたとされ、このような理由が不起訴の理由とされている。
セントラテック社の創業者3名ソフラブ・シャーマ氏、レイモンド・トラパニ氏、ロバート・ファーカス氏は、詐欺ICOを行った容疑で5月に正式に起訴されている。3人はこのICOで17年に世界中の投資家からわずか数週間で3200万ドル(約36億円)もの資金を調達した。
セントラテック社の創業者3人。(左から)ソフラブ・シャーマ、レイモンド・トラパニ、ロバート・ファーカス
出典:The New York Times
セントラテック社のICO詐欺行為
SECが発表していたプレスリリースによれば、SECに登録せずにCTRトークンの販売を開始したほか、
- VISAとMastercardから支援を受けておりデビットカードを発行していると主張した(実際には両者とは全くの無関係であった)
- 素晴らしい経歴を持つ架空の役員を創造し、Webサイト上に誤った若しくは誤解を招くマーケティング資料を公開した
- 自身のプロジェクトをSNSで広めてもらう為に、有名人に金銭を支払った
などの行為を行っていた。