日本国内ブロックチェーン活用サービス市場は2022年度には1235億円に達すると予測|矢野経済研究所

日本国内ブロックチェーン活用サービス市場は2022年度には1235億円に達すると予測|矢野経済研究所

日本国内ブロックチェーン活用サービス市場は2022年度には1235億円に達すると予測

市場調査とマーケティング企業の「株式会社矢野経済研究所」は、日本国内ブロックチェーン活用サービス市場を調査した結果、2019年度の市場規模は171億円の見込みで2022年度には1235億円に達すると予測している。

調査対象には国内のIT事業者、ブロックチェーン関連スタートアップ企業等で同社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用での調査方法で行われている。

国内ブロックチェーン活用サービス市場規模推移予測

昨年2018年度の国内ブロックチェーン活用サービス市場規模は約80億円に対し、2019年度は約2倍の171億円を見込んでいる。

その市場規模の加速には、仮想通貨やサプライチェーン等を含めた価値流通におけるプラットフォームを中心に実証実験が行われ、幅広い業界への商用化に向け検証が行われてる等の動向が要因に挙げられるという。

また、昨今の国内でのブロックチェーン活用として以下のように記されている。

ジビエ(野生鳥獣肉)のトレーサビリティ(流通経路の追跡確認)のほか、美術品の権利移転や真贋証明等をはじめとして利用が拡大しており、物流の透明性向上によるコスト削減や書類チェックに係る時間の短縮など、様々な成果を上げ始めている。

そして、2022年度の国内ブロックチェーン活用サービス市場規模は1235億9000万円に達すると予測している。

2017年度~2022年度の5年間の年平均成長率(CAGR)は108.8%と予測。なお、フェーズ別では、実証実験が多いものの、2019年度以降、商用化に向けた効果検証フェーズや本格的な商用化フェーズへと進む案件が増えていくと考察しているという。

ブロックチェーンは主に3つのレイヤー

ブロックチェーンには3つのレイヤー

レイヤー1:BtoB向けやBtoC向け、IoT向けなど、用途に応じて使い分けがされるような基盤

レイヤー2:Colored CoinやLightning Networkをはじめとしたブロックチェーンを補完する技術

※Colored Coinとは、ビットコインに色を付け、複数の種類の資産を流通させる仕組み

※Lightning Networkとは、ビットコインのブロックチェーンが抱えるスケーラビリティや処理速度などの課題を解決する為に開発されたソリューション

レイヤー3:ブロックチェーンを活用した様々なアプリケーションが開発

いずれのレイヤーでも大手IT事業者や国内スタートアップ企業を中心に、ユーザー企業とともに実証実験を進められ、大手IT事業者を中心にBaaS(Blockchain as a Service)ソリューションの提供が開始、ブロックチェーンの積極的な活用に向けた技術的な支援体制が整いつつある。

※BaaS(バース/Blockchain as a Service)とは、ブロックチェーンを利用したアプリケーション、スマートコントラクトなどをブロックチェーンベースのインフラストラクチャを設定、管理、実行する事なく手軽に構築する事ができるクラウドベースのサービスの事です。

今後、実験検証も含め、様々な分野でのブロックチェーン技術の商用化が発表され、我々の生活をより良くするサービスが世の中に誕生していく事が予想されます。

仮想通貨の普及・発展に加えブロックチェーンの動向にも期待と注目が集まります。

矢野経済研究所:2019 ブロックチェーン活用サービス市場の実態と将来展望