日銀のCBDC、3メガバンクと実証実験に向け調整

日銀のCBDC、3メガバンクと実証実験に向け調整

日銀のCBDC、3メガバンクと実証実験に向け調整

日本銀行が導入の実現可能性について検討を行っている中央銀行デジタル通貨(CBDC)について、3メガバンクや地銀と実証実験を行う調整に入ったことが報じられた。

来年4月のフェーズ3以降に向け

日本経済新聞の報道によると、日銀が2023年春から民間銀行などと協力し、銀行口座での入出金といったやりとりに支障がないかを検証する実証実験について調整を行っているという。

本実験については、2021年春から今年3月までの日程で概念実証のフェーズ1が終了し、4月からはフェーズ1で確認したCBDCの「基本機能」に、より複雑な「周辺機能」を付加したうえで、その技術的な実現可能性やシステムの処理能力等について検証を行うフェーズ2に移行している。

今回メガバンクや地銀と調整を行っているフェーズ3については、2023年4月からの移行を予定しており、民間企業や消費者が実際に決済で使用することが可能かどうかの検証を行う。

各国中銀による実証実験も増加

国外では、中国のデジタル人民元が既に試験発行されている他、欧米やその他の国でも実証実験が進められており、国際決済銀行(BIS)の調査では世界の中央銀行の約9割がCBDCの研究に着手しているという。

また、日銀が11月9日に発表したレポートによると、近年、クロスボーダー決済の効率化などを背景として、幅広い国々の中央銀行がホールセール型CBDCの実証実験に取り組んでいるという。

一方で様々な検討課題についても議論が進められており、日銀の黒田東彦総裁は1月にCBDC発行の可否について個人的見解として「26年までに判断する」と話している。

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