ビットコイン(BTC)、2018年1月以来3年ぶり1万5000ドル台突破へ!
6日、2009年に運用開始されたインターネット上の代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコイン(BTC)の勢いが止まらない。日本時間5日深夜には1ビットコイン(BTC)が1万5000ドル台に乗せ、2018年1月以来約3年ぶりの高値を付けた。
直近24時間の上昇幅は1000ドルを超える急伸である。約2週間前の記事で1万2000ドル突破を報告したばかりだが、この短期間で約3000ドルも上昇したことになる。
上昇トレンド維持のビットコイン(BTC)市場の背景
民主党のバイデン氏と共和党のトランプ氏が激しく競り合う米大統領選の投票締め切り後に再開した米株高や米ドル安傾向によって投資家の高揚感が増している。
外国為替市場や暗号資産の市場ではもともと、米大統領選を巡って「米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融緩和を続けている限り、誰が大統領でもドル安の圧力は変わらない」との予想が多かった。
問題は米国などの株価や債券相場が安定するかだった。ヘッジファンドなどの投機筋は手持ちの株式や債券を担保に資金を借り入れて、運用額を膨らませる「レバレッジ戦略」を駆使する。このため、株や債券の価格が安くなると暗号資産などにお金を振り向ける余裕がなくなってしまうからだ。
優位にたったバイデン氏をトランプ氏は法廷闘争に引き込む構えだ。それでも株式投資家はさほど動じていない。米上下院選では上院の過半数を共和党が押さえる見通しで、大統領と上院の多数派が異なる政党となる「ねじれ」の可能性が高まったのにも「民主党政権が目指すIT(情報技術)規制の遅れなどで関連企業にはプラス」と好意的に反応した。
半面、政権のねじれによって財政拡大に歯止めがかかるとの思惑などから米長期債相場は底堅くなった。
日経平均株価も今年最高値を更新!投機マネーの行方は
東京株式市場も29年ぶりの高値まで上昇し、日経平均株価の終値は2万4325円で引けた。投機マネーにとって、米ドル売りや仮想通貨を含む他のリスク資産の買いに傾ける環境が整ったわけだ。
米ドル安の流れは対円相場を3月以来の1ドル=103円台まで押し下げ、ビットコインに波及した。相対的に資金力の劣る個人は一時、持ち高の膨張によって勢いを失いかけていたが、ここにきて復活してきた。「含み益の増加で証拠金不足による持ち高解消売りはしばらく心配しなくてもよい」(シンガポールの個人投資家)との声が聞かれる。
足元ではアルトコインのイーサリアムやリップルなどビットコイン以外の暗号資産の相場も高くなってきた。だが、ビットコインに比べると先物やオプションといった相場の下落リスク回避(ヘッジ)機能は弱く、ヘッジを重視する機関投資家は敬遠しがちだ。
情報サイトのコインマーケットキャップによると、暗号資産の時価総額全体に占めるビットコインの割合9月にかけての調整時に56~57%程度まで下がった後、6割を超える水準まで回復した。
これからもビットコインへの買いが先行する構図は変わらないことが予想され、高値更新を続けるビットコイン(BTC)から目が離せない日々が続くだろう。