第5回 飛騨高山大会・貨幣革新 地域通貨国際会議!

第5回 飛騨高山大会・貨幣革新 地域通貨国際会議!

第5回 飛騨高山大会・貨幣革新 地域通貨国際会議!

2019年9月11~15日、地域通貨の国際的な調査研究機関である RAMICS (The Research Association on Monetary Innovation and Complementary and Community Curencies)が主催となり、世界各国の学者や研究者が2年に1度集まる世界的な大会を今回アジア初となる岐阜県高山市(高山市民文化会館)で開催されました。

出典:COINBOX

26か国を超える国際的な研究者が、各地における学術研究を発表しディスカッション。また、実際に地域通貨を実践している方々も集結し、シンポジウムやワークショップ、展示を通じ地域住民を含めた参加者との交流を深める場が提供されています。

1Fには各地域通貨の展示ブースや企業ブース

2Fでは各ルームごと研究者達のディスカッション

なぜ、飛騨高山なのか?

これまで欧州を中心に開催されていましたが、飛騨・高山地域は地域通貨「Enepo」電子地域通貨「さるぼぼコイン」という2種類の地域通貨があり、アナログな「Enepo」と最先端の「さるぼぼコイン」が共存する珍しい地域として注目され選出。

「Enepo」と「さるぼぼコイン」

アナログな「Enepo」

杉の圧縮材で手触りも柔らかく温かさが伝わる通貨。

出典:COINBOX

市内9カ所にある木の駅へ、山から運ばれてきた間伐材・そこで採集されたスギやヒノキの葉の売り上げ分を、間伐材を採ってきた人、またそれら作業を手伝った人へ地域通貨「Enepo」として還元・配布される

高山市は9割が森林で手入れの届かない杉やヒノキ林があり、放置された山は土砂災害や花粉症問題に繋がる。それを間伐する事で光が落ち、虫や動物が戻り、恵みの森へと変わる。

そして、その「Enepo」が、飛騨地域の協賛店で使用される事で、その価値が市外に流出する事なく、飛騨地域内でお金と仕事が循環していくという仕組み。これはアナログ地域通貨を現金に交換できるという全国初の仕組みともなっている。

電子通貨「さるぼぼコイン」

出典:faavo

「さるぼぼコイン」は、高山市に本店を置く金融機関 飛騨信用組合が発行するスマートフォンアプリを活用した電子地域通貨です。

さるぼぼコインのQRコード決済システムは「静的QRコード」と呼ばれるもの。
店頭に掲示してある店舗ごとのQRコードを自分のスマートフォンで読み込み、自分で金額を打ち込んだあと、お店の人に画面を確認してもらってから決済する。

現在、加盟店は1,000店舗を超え、約8,000人が利用し、この4月からは飛騨市で市県民税、固定資産税、国民健康保険料、水道料金など税金等の収納も可能だ。

また、アプリのGPS機能を利用し、行政が発信する災害情報や交通情報を特定のエリアに配信するなど、決済ツールだけではなく、地域住民の生活アプリとして活用されている電子地域通貨です。

地域通貨体験

我々、COINBOX(コインボックス)は最終日の15日のみの参加でしたが、参加費用(4000円)の半分を地位通貨「Enepo」(2000エネポ=2000円分)として頂き、野外駐車で開催されていた屋台村(飲食ブース)での利用や飛騨高山市の加盟店での買い物に使用する体験をしました。

野外駐車場の屋台村

街並みを歩くとあらゆる所に地域通貨取扱店とわかる旗表示がされていました。店舗の外観を見るだけで目視で判断出来る印象でした。

また、国際会議のイベントには、「飛騨の匠ツアー」や「木の駅プロジェクト 間伐から地域通貨への流れを実体験をするツアー」、「世界遺産の白川郷を観光するツアー」など盛り込まれていた。

各地域柄の地域通貨が数多く存在し、地域の利便性や活性化に繋がっています。色々な形で価値を生み出し、信用に変え流通している地域通貨。

今後、予想以上のスピードで普及を続ける「地域限定の電子マネー」が誕生していくでしょう。COINBOXは今後も各地域の地域通貨プロジェクトにも注目していきたいと思います。