札幌市「NoMaps」、「全世界をオンラインでつなぐ ブロックチェーンの可能性と課題」|レポート

札幌市「NoMaps」、「全世界をオンラインでつなぐ ブロックチェーンの可能性と課題」|レポート

札幌市「NoMaps」、「全世界をオンラインでつなぐ ブロックチェーンの可能性と課題」|レポート

2019年10月16日(水)から20日(日)まで北海道札幌市内各地にて開催される「NoMaps」にて、BHIP主催のビジネスカンファレンスが16日開催されました。

BHIP代表理事の坪井大輔氏がモデレーターを務め、世界を舞台に活躍する多彩なゲストが登壇し、テーマである「ブロックチェーンの可能性と課題」についてパネルディスカッションが行われました。

Business Conference 2019 出典:COINBOX(コインボックス)

まずは「NoMaps」と「BHIP」について

「No Maps」

「No Maps」は、札幌・北海道という象徴的な開拓の地で、クリエイティブな発想や技術によって次の社会を創ろうとするコンベンションです。

開催期間中には、医療・観光・農業・学生・教育・地域地方・起業支援・AI・IoT・IT・音楽・スポーツなど総コンテンツ数100を超える分野が各テーマについて議論や体験の場を提供しています。

我々、COINBOXは札幌を拠点に活動していますが、札幌でここまで大規模に行われているコンベンションは知りません。

「BHIP」

「BHIP」は、一般社団法人ブロックチェーン北海道イノベーションプログラムの略称です。BHIPは、システム開発会社や企業/団体と連携し、単独企業ではできないブロックチェーン技術者の育成や地域経済の底上げとなるような活動を行っています。

その代表理事を務めるのが坪井大輔氏。坪井氏は(株)INDETAILのCEOでいくつものベンチャー事業を次々と立ち上げるシリアルアントレプレナーでもある。

また、芸人オリエンタルラジオのあっちゃん(中田敦彦)のユーチューブで紹介された本「WHY BLOCKCHAIN」の著者なんです!

ブロックチェーンがどうすごいのか、世の中がどう変わるのかを凄くかみ砕いた説明がされて非常に読みやすいです。

絶賛発売中!

そして、COIMBOXも「BHIP」の推進パートナーとしてイベントに参加致しました。

そろそろ、本題のセッションレポートへ!

世界を舞台に活躍するゲストによるパネルディスカッション

テーマ「全世界をオンラインでつなぐ ブロックチェーンの可能性と課題」

【ゲスト】

  • 博報堂 ブロックチェーン・イニシアティブ 伊藤佑介氏
  • マイクロソフト・コーポレーション 安田クリスチーナ氏
  • OUTCHAIN CEO ビクトル・ブリズガロフ氏

【モデレータ】

  • INDETAIL CEO 坪井大輔氏

【ブロックチェーンはテクノロジーではなく思想である!】と掲げる坪井氏は前日のFacebookでパネルディスカッション内容を以下のようにアナウンスしている。

【ブロックチェーンはテクノロジーではなく思想である!】の教祖(笑)としては、深い思想の話しをしたくてですね。テクノロジーの話しはゼロにしてやりました!笑)
難易度高めのセッション!オーディエンス置き去り上等!数の集客よりも濃過ぎる世界平和を議論したい!

そして、当日モデレーターの坪井氏はセッション冒頭で堅い挨拶は抜きにして、少しでもセッション時間にあてるという事で、すぐさまパネルディスカッションは開始されました。

Business Conference 2019 出典:COINBOX(コインボックス)

世界のオンライン比率などの統計データから見る「The global state of digital in 2019レポート」

The global state of digital in 2019レポートの各国の数値をもとに各ゲストがコメント。

Business Conference 2019 出典:COINBOX(コインボックス)

人口増加率、モバイル保持者の増加率は低いものの、インターネットユーザー、ソーシャルメディアユーザー、モバイルでのソーシャルメディアユーザーは10%近く増加している。

internet penetration

各国インターネットの普及率で非常に興味深かったのは、上記のグラフの白塗り部分が世界平均(57%)で、その右横にある中国(57%)と変わらない点だ。

中国の経済規模や人口、そして「中国3強」と呼ばれる、百度(Baidu)、アリババ(Alibaba)、テンセント(Tencent)などの企業が存在する中で、今後中国の普及率が増加すると、それはアメリカの脅威となり、米中貿易摩擦にも繋がってくるという議論がされた。

また、世界でのネット事情として、アフリカや東南アジアは見た目は貧しく見えるものの、「リープフロッグ現象」により急速に普及している。

リープフロッグとは、例えば新興国が先進国から遅れて新しい技術に追いつく際に、通常の段階的な進化を踏むことなく、途中の段階をすべて飛び越して一気に最先端の技術に到達してしまうこと。

しかし、ヨーロッパや北米はGAFAの支配が大きく、飽和状態になっていると伝えられた。

FACEBOOK主導の仮想通貨「Libra」について

Facebookは2019年6月にLibraのビジョンを発表し、現在アクセスできない10億人以上の個人に銀行サービスを提供することを目的とした野心的なプロジェクトを発表しました。

Business Conference 2019 出典:COINBOX(コインボックス)

Libraを運営するLibra協会には当初発表された28社が参画しているとされていたが、先日、大手決済企業のVisa、Mastercard、eBay、Stripe、Mercado Pagoが協会から撤退する事が明らかになった。

そして、今回のセッションではLibraについて否定的な意見が多く見られた。

  • Libraは匿名性、安全性、分散性の3つの観点から問題があるとされ、過去の情報漏洩の件も安全では無いと指摘。
  • また、Facebook利用者の23憶人のうち、何人がアイデンティティーを持たない17億人に当たるのかと疑問の声が上がった。
  • また通常、通貨発行は国であり、それをLibraが行う事が無理がある。ビットコインは、議論の対象がいない為、止めようがないが、LibraにはFacebookがいる為、攻撃(議論)対象がいる。

しかし、Libraのおかげで仮想通貨・ブロックチェーンの認知度が上がり、業界に貢献した事は否めないと付け加えられた。

否定的な意見の中にも各ゲストの違う視点から見解が飛び交い非常におもしろい印象を受けました。今後、Libraがこのまま行くのか、形を変えるのか改めて注目が集まります。

他にもトークンエコノミーやMoney Zebraの仕組みなど多くテーマがありました。また世界で活躍しているからこそ、リアルな世界事情が聞ける貴重なセッションでもありました。

あっという間の1時間30分のイベントで、最後は議論が白熱して完全に時間が足らない状態。笑

240席ほど用意された会場も満席になる程の盛り上がりでした。

このようなイベントが札幌でももっと多く開催される事が期待されます。

まだ、NoMapsは10月20日まで開催されていますので、北海道の方は足を運んでみてはいかがでしょうか。

チケット情報 | NoMaps
https://no-maps.jp/ticket