VeChainの医療管理プラットフォーム、コロナ関連のデータ共有が本格始動
ブロックチェーン企業VeChainが開発する医療データ管理プラットフォームで、新型コロナウイルスの検査結果などの情報を共有する準備ができたことを、VeChainのエコシステムマネージャーDimitrios Neocleous氏がtwitterで発表した。
安全なデータ共有を可能とするデジタルソリューション
このプラットフォームは、VeChain Blockchainを活用したデジタルヘルスケアソリューションを開発するため2019年12月に設立されたI-DANTEと共同で開発されたE-NewHealthLifeと呼ばれる医療データ管理プラットフォームで、新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに開発が行われたことを5月に発表していた。
E-NewHealthLifeは、キプロス共和国の総合医療制度(GHS)に属し、従業員数300人、2019年の外来患者数が3万8千人であるキプロスの地中海病院で採用がスタートした。
このプラットフォームは、デジタルレコードシステムからのデータをプールすることの管理上および技術上の困難、さまざまな部門と保健当局の間のコラボレーションの欠如、テクノロジー投資を押し上げる財政支出のコストの増加、健康上の義務とプライバシーの懸念のバランスの問題など、以前からあった医療セクターの技術インフラの近代化における課題を解決し、安全なデータストレージと複数の当事者間での低コストで効率的な情報共有を可能とする新しいデジタルソリューションとして期待されている。
専用アプリでデータストレージと共有コストの削減
今回キプロスの地中海病院でのデータ共有にあたって、E-HCertと呼ばれる専用アプリを使用し、やりとりが行われている。
E-HCertは今回の新型コロナウイルスの検査結果の情報共有について次のようにコメントしている。
キプロスの地中海病院でのE-NewHealthLifeの実装はかなりの成功を収めて進んでおり、その結果、病院はE-HCertアプリを採用しています。イノベーションは、COVID-19が発生した後でもデータストレージとデータ共有のコストを削減し、ヘルスケア部門全体のデジタル変革を促進することで、長期的に役立ちます。
しかしながら現在のシステムでは、俊敏性、相互運用性、不変性、トレーサビリティ、コンプライアンス、コスト面などいくつかの問題も発生しており、これらを改善し、新型コロナウイルス以外の全ての検査結果などのデータ共有を目指していく考えだ。