三菱商事やNTTデータなど7社、ブロックチェーン技術活用し貿易書類業務の完全電子化へ!
26日、大手総合商社の三菱商事(東京都・千代田区)、日本電信電話株式会社の子会社NTTデータ(東京都・江東区)、東京海上ホールディングス傘下の完全子会社の東京海上日動火災保険(東京都・千代田区)など7社は業界の垣根を超えて、ブロックチェーン技術を用いた貿易書類業務の完全電子化に移行することを日本経済新聞が報じた
トレードワルツへ7社共同出資のうえ2020年度内に商用サービス開始へ
NTTデータが開発し今年設立された貿易情報管理システムの運営会社株式会社トレードワルツ(東京都・千代田区)に都市銀行の三菱UFJ銀行(東京都・千代田区)、トヨタグループの総合商社の豊田通商株式会社(名古屋市)、総合商社の兼松株式会社(東京都・港区)、国内損害保険会社大手の損害保険ジャパン(東京都・新宿区)など7社が共同出資し年度内の商用サービス開始することが明らかになった。なお、各社の出資は今年11月までに完了する。
2017年以降、上記7社は、コンソーシアム形式でシステム活用の実証実験を重ねてきた背景がある。NTTデータのブロックチェーン技術を活用した貿易情報管理システム「TradeWaltz」(トレードワルツ)は、輸出入企業の発注書や受取書のほか、銀行発行の信用状、物流や保険会社などが取り扱う関連書類もやり取りしあい、これまでの郵送に比べ大幅に時間削減に繋がり、転記のミスを防ぐことができる。
加えて、システム上のデータ改ざんがないことを保証するため、ブロックチェーン技術を活用する。試験導入した企業では、書類作成にかかる時間がほぼ半減できたデータもあるから驚きだ。
出典:NTTデータ
ブロックチェーン技術活用が遅れる日本、トレードワルツが見据える未来とは
日本ではやはりブロックチェーン技術を活用したシステムの初動が後発なイメージが拭えないのが現状だ。
テクノロジー企業世界大手の米IBMではすでにブロックチェーン(分散台帳)を使用した貿易情報管理システムを個別に展開し、東南アジア各国は政府が先頭に立ち貿易事務のデジタル化が進んでいる。
しかし、今回のトレードワルツの特徴は国内企業が貿易する際に必要な機能を総合的に提供し国内企業だけではなく、海外企業の活用も想定している。
各国の貿易に関わる法令の変更などの情報を人工知能(AI)が自動的に収集し、輸出入担当者に注意を促す機能も備える予定であり、利用企業の求めが多ければ、米中貿易摩擦に伴う両国の禁輸措置などについても情報収集できるようにする。
ブロックチェーン技術活用が起こすイノベーションを今後も期待したい。