NEMのブロックチェーンSymbolでワインのトレーサビリティを確保
仮想通貨(暗号資産)NEMが提供する新しいオープンソースのブロックチェーンラットフォームSymbolが、ワイン業界のサプライチェーンやトレーサビリティの確保などへ向けた活用方法を提案した。
高性能な追跡と検証
Symbol公式のブログによると、高負荷状況でも正常に動作するよう新たに開発されたエンタープライズ向けのブロックチェーンは、ブドウ園や蒸留所などを含めたサプライチェーンでの活用や、製品のトレーサビリティの確保に適しており、Symbolブロックチェーンを利用することで事業全体を近代化することができるとのこと。
出典:Symbol
ワインの盗難・偽造の問題
ワイン業界において、盗難や偽造ワインの流通が深刻な問題となっており、特に高級ワインやブランド品種の中身の入れ替えやラベルの張り替えなど、様々な手口によって大規模な流通が行われ、その被害額は数億ドルにのぼるとも言われている。
Symbolでは、ブドウの生産からワインの製造、瓶や箱、流通過程までの全てをブロックチェーンで管理し、シリアル番号によってどの段階においても情報を追跡することを可能とし、製品の信頼性と品質の保障を支援する。
ワインを流通させるには、国や大陸を横断して大量に輸送する必要があり、最終目的地に到着する前に貨物がすり替えられるのが一般的だが、この対策として、生産者が使い捨てのスマートコントラクトを設定することができ、製品を受け取った当事者が品質を確認した場合にのみ支払を完了するといった方法も可能となっている。
昨今ブロックチェーンテクノロジーが農業、製造、医薬品開発、食品生産など様々なサプライチェーンで利用されており、今後も幅広い分野での活躍が期待される。