サスメド社、ブロックチェーン技術活用し臨床試験効率化システム実用化を発表

サスメド社、ブロックチェーン技術活用し臨床試験効率化システム実用化を発表

サスメド社、ブロックチェーン技術活用し臨床試験効率化システム実用化を発表

7日、2015年に創業し今年9月には沢井製薬(大阪府・大阪市)と資本業務提携で話題となった医療スタートアップのサスメドが、2021年ブロックチェーン技術で臨床試験(治験)を効率化するシステムの実用化することを、日本経済新聞が報じた

これまで長きにわたり治験のデータ改ざん防止業務はすべて人手で行ってきたが、ブロックチェーン技術を活用する。国が同社のシステムを治験に活用することを認めた格好だ。

世界初!サスメド社・新システム実用化で人件費大幅削減へ

同社は医師でもある上野社長が創業し、スマートフォンを使って不眠症を治療するアプリの開発も進めながら医療機関や製薬会社、認証機関などをブロックチェーンでつなぐシステムを開発した。

参加機関でデータを分散して管理することで改ざんできなくする仕組みで、ブロックチェーンが実際の治験で活用されれば世界初とみられる。

現在認められている治験は、複数の医療機関から大規模なデータを収集するため多数の患者が参加することもあり、電子カルテと当局に提出するデータとの間に食い違いがないか確認していた。

サスメドの上野社長によれば、大規模な治験では確認作業の人件費だけで数十億円に達するが、こうしたひとつひとつのアナログ作業をブロックチェーン技術活用の新システムにスイッチできれば、余計な時間と経費の削減が可能である。同社は今後人件費の7割削減を目指す

医療業界に変革もたらすブロックチェーン技術の「課題」と「期待」

これまで医療業界では効率の悪さやミス、官僚主義、高いコストに長く悩まされてきた背景がある。

ブロックチェーン技術活用により、こうした問題の一部を解決できるはずだ。「ブロックチェーン」という言葉は近年になってようやく注目されてきた革新的な技術ではあるが過剰に期待されている側面もある。だが、「医療」という分野において新たな「価値」をもたらしてくれるのは確かだ。

コンプライアンスやデータセキュリティーなどの課題を解決するだけではなく、患者ファーストの新たなビジネスモデルを創造できが、医療業界へのブロックチェーン技術導入は緩やかに進むことが予想される。

導入するためのさまざまな課題を解決し、必要な対策を練らなければならない。今回のサスメド社のニュースは医療業界に小さな光を灯したことには間違いない。

 

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